RE科目「恋の歌を読む―百人一首を中心に―」報告②
22.09.18
「日本一楽しく学ぶ」をコンセプトに開発された、聖徳大学文学部の体験型授業、
「RE科目(REとは、Reality Experience:人生におけるとても貴重な本質的体験という意味)」のご紹介です。
RE科目「恋の歌を読む―百人一首を中心に―」は、百人一首の歌とその歌人を中心に学びを深め、平安時代や鎌倉時代の「かな」で書かれた作品を鑑賞する体験型授業です。
本物に触れ、先人たちの筆づかいや紙の美しさ、和歌にこめた思いを実際に味わえるのが、この授業の魅力です。
若くしてこの世を去った美青年歌人や、怨霊になったという伝説のある歌人など、毎年学生の皆さんに人気のある歌人をとりあげるほか、
藤原定家とはどういう人だったのか、本当に百人一首は藤原定家の手によるものなのか、など、百人一首が成立した背景や、恋の歌を詠んだ歌人たちの人生を学んでいきます。
それだけではありません。
貴重な本物の掛軸や写本、古筆切(こひつぎれ)、精巧な手鑑(てかがみ)の複製を間近で見ることができるのも、授業の魅力の一つです。
今年度の学外研修では、東京・丸の内にある「出光美術館」と、田町にある「慶應大学ミュージアム・コモンズ」に行ってきました。
出光美術館では、「国宝手鑑「見努世友」と古筆の美」展が開催されていました。
「手鑑」とは、古人の筆跡の断簡(「古筆切(こひつぎれ)」といいます)を折本に貼ったもので、貴重な筆跡を保存し、また書の手本とする目的で作られました。
「見努世友」は「見ぬ世の友」と読み、『徒然草』の一節「ひとり灯(ともしび)のもとに文をひろげて、見ぬ世の人を友とするぞ、こよなう慰むわざなる」から名づけられた、出光美術館が所蔵する国宝の手鑑です。
そのほか、「継色紙」や「高野切」といった有名な古筆、俵屋宗達が下絵を描き本阿弥光悦が書いた百人一首和歌の断簡など、さまざまな作品を見ることができました。
慶應大学ミュージアム・コモンズで開催されていたのは、センチュリー赤尾コレクション × 斯道文庫「書を極める:鑑定文化と古筆家の人々」展です。
これは、安土桃山時代から昭和初期まで、代々筆跡鑑定を職業としていた「古筆家(こひつけ)」の資料を中心にしたもので、斯道文庫の佐々木孝浩先生が一つ一つの資料について丁寧にお話をしてくださいました。
古筆家のことや、その鑑定書である「極札(きわめふだ)」など、授業で学んだ内容と重なる部分もあり、学生の皆さんの理解も深まったようです。
とても有意義な学外研修となりました。
【お知らせ】
聖徳大学所蔵名品展「百人一首とかるた ~書・描・遊~」
会 場 : 聖徳大学 8号館1F 企画展示ギャラリー
会 期 : 令和4年7月11日(月)~10月15日(土)
時 間 : 9:00~17:00(休館:日曜日・祝日と学業日程による休業日)
観覧料 : 無料
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