文学部・文学科 │ 聖徳大学

RE科目「文豪を訪ねてⅡ」報告②

23.01.23

日本一楽しく学ぶ」をコンセプトに開発された、聖徳大学文学部の体験型授業、
「RE科目」(REとは、Reality Experience:人生におけるとても貴重な本質的体験という意味)のご紹介です。

RE科目「文豪を訪ねてⅡ」ではこのほど、太宰治の足跡を追って、東京都三鷹市に出かけました。

「人間は恋と革命のために生まれてきたのだ」「子供より親が大事と思いたい」など、さまざまな名言でも知られる太宰治。聖徳大学文学部でも根強い人気を誇り、毎年のように卒業論文の対象に選ぶ学生がいます。

日本の近代文学に名をとどろかす無頼派作家は、昭和14年から、23年に亡くなるまで、途中に疎開期間をはさんで、三鷹で過ごしました。その間に『斜陽』や『ヴィヨンの妻』『人間失格』など名作の数々を執筆したのです。

JR三鷹駅に集合して、まずは太宰治文学サロンへ。太宰が通った酒店の跡地につくられた施設です。写真や地図、直筆原稿、太宰の居宅の模型などとともに、太宰治の実証的な研究で知られる故・山内祥史(やまのうち・しょうし)先生が所蔵していた本を一望することもできました。

次に三鷹市美術ギャラリー内の「太宰治展示室 三鷹の此の小さい家」を訪れました。太宰の自宅の一部が再現されているのをはじめ、草稿、書簡、太宰が描いた絵画、長女との写真など、多彩な資料が展示されており、太宰が生きた日々をしのばせました。

復元された書斎では、文机にすわって、執筆気分を味わうこともできました。太宰はどんな気持ちで、筆をとっていたのでしょうか。ふと、そんなことを考えてしまいます。

そして、三鷹の街を歩きました。太宰とともに死んだ愛人の山崎富栄の下宿跡、2人がよく訪れた小料理店の跡、2人が身を投げた玉川上水。太宰の旧居跡まで歩くと、太宰がこの街で生きた時間を追体験しているようでした。

最後は禅林寺を訪れ、お墓参りです。斜め前には森鷗外のお墓もあります。学生が用意してきた線香に火をつけ、一人一人が順番に手を合わせました。もっと作品を読み込もう。そして、仲間と論じ合おう。そんなことをしみじみと思った一日になりました。

PAGE TOP