文学部・文学科 │ 聖徳大学

ゼミ紹介第3回:諸井ゼミ(日本語・日本文学コース)

20.07.27

第3回は、諸井先生のゼミを紹介してまいります。

諸井先生は、長く都内の中高一貫校で国語教師として勤務され、2018年から聖徳大学にいらっしゃいました。
日本の古典文学、特に紫式部や清少納言といった、平安時代の「女房」と呼ばれる女性たちによる作品が専門で、著書『摂関期女房と文学』は、2019年に第二次第十四回関根賞を受賞されています。
聖徳大学では、変体仮名をマスターし、写本を読めるようになる一年生向けの授業のほか、和歌や物語をとりあげ、現代にも通じる古典文学作品の魅力を解説する文学史の授業などを担当しています。

諸井先生のゼミではどんなことが学べますか?
ゼミでは、実証的に古典文学作品を解釈する方法を学ぶことができます。
高校までの古典は、辞書や文法書を見て現代語訳をし、教員がもっている「模範解答」にたどりつければ「正解」とされますね。
しかし、大学での古典文学研究は、辞書に書いてあることも単なる「参考」でしかありません。
自分で用例を調べ、本当にその時代にはそういう解釈が可能なのか、というところまで深く考えることが必要です。
大学図書館の資料、あるいは昨今増えつつあるオンラインで公開されている資料を駆使しながら、自分自身で解釈する楽しさを味わってください。
一見、古典文学研究は現代社会とはつながっていないように思えるかもしれませんが、情報があふれる現代社会において、自分に必要な情報を見極める能力にもつながってきますよ。

過去の卒業論文のテーマにはどのようなものがありますか?
これまでは、平安時代の物語作品をとりあげるものが比較的多かったように思います。
『源氏物語』では、どうして浮舟という女性が薫と匂宮という二人の男性から好意を寄せられたのかを考察した、宇治十帖の人間関係に注目した論文がありました。
そのほかにも、源典侍という老いた女官に注目するなど、登場人物をとりあげるものが人気です。
また、『うつほ物語』の贈答歌につけられた品物(蝉の抜け殻など変わったものもある)に注目した論文では、物語の成立にまで関係づけて論じられていました。

一方で、平安時代の「ひな遊び」をさまざまな作品から挙げて論じるなど、一つの作品にとどまらない研究もあります。

今年の卒業論文では、『古事記』や『枕草子』をとりあげる学生、古典作品を絵画化した絵巻・浮世絵をとりあげ、それらの絵画化作品が古典作品をどのように解釈しているのかについて論じる学生など、さらに卒業論文のバリエーションが広がっています。

さて、ここからは、諸井先生のゼミ生7名にお話しを聞いてみました!

諸井先生ってどんな人ですか?
7名中6名が「優しい」と回答。
「なんでも聞ける雰囲気」や「わかりやすく教えてくれるところ」が学生から大人気です。
だけど諸井先生の魅力は優しいだけではないようです。
ゼミ生によると「アニメ好き」で「面白く」「ユーモアがあり」「ノリをわかってくれる」先生なのだとか!
諸井先生の親しみやすさとお人柄が伝わってきますね。
ところで、諸井先生はどんなアニメが好きなのでしょう?諸井ゼミ紹介、第二弾があったら掘り下げてみたいものです。

高校までの古典の授業とどういう点が違いますか?
・一方的に教わるのではなく、自分で考える時間が増えます。
・一つの事を深く学ぶ事が大きく違う点だと思います。広く浅くというよりは気になった作品や場面を深く紐解く事ができるので楽しいです。
・高校までは古典の文章を正しく読むための力を身につけ、どう言った内容なのか理解しますが、大学では読んで内容を正しく理解するだけではなく、その文章はどうしてそのような展開になったのか、なぜそのモチーフが文中に登場するのかといった、表面だけでなく深層まで学ぶことができます。
・高校では、文法について沢山やっていましたが、大学では、文法よりも内容理解の方に重きを置いていると思います。
・自分から興味のあるテーマを見つけ、資料を使って違った考えを述べるところ
・原文を見て、まず文字を解読することから始める所が違います。変体仮名を正しく読み取ることは、慣れるまでは大変ですが、文脈で読み取れるようになるので楽しくなってきます。また、自分でより詳しく現代語訳をするようになります。高校までは、辞書で言葉の意味を調べてそのまま訳をするという感じでしたが、ゼミでは時代背景や状況に合わせて、様々な本やデータベースを使ったり、他の和歌の用例を用いたりして、自分なりに現代語訳を作る点が異なっています。
・高校は色んな作品を授業でやるので、作品についての知識が広く浅くという感じですが、大学では一つの作品について学ぶので、深く学ぶことができます。

ゼミ生からの諸井ゼミおすすめポイントは?
・古典がもっと好きになります。平安時代の作品を深く学びたい方はおすすめです。
・ヲタクのノリを理解してくださる先生なので、ありのままの自分で臨めます。
・分からないことがあっても優しく教えてくださるから頑張れるし、知識もさらに深められます。
・古典が苦手でも、1から教えてくださるので安心して講義が受けられます。
・諸井先生は、平安期の古典文学を中心に研究されている先生です。分かりやすく、熱心に教えて下さり学びを深めることができます。
・先生との距離感が近く、質問もしやすいです。また、自分で考える力も向上します。同じ題材について毎週毎週理解を深めていくので、1つのことを深く掘り下げたい、より深く理解したいという人にオススメです。ほぼ毎週、自分の調べたことや考えの発表もあるので、話す力も身につけることができます。
・古典の好きな人は、どの作品でも先生の知識があるので、分からないことを聞く事ができ、理解がしやすいです。

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