文学部文学科

RE科目「文豪を訪ねてⅡ」報告①

19.10.28

芥川龍之介の魂を訪ねて。

RE科目「文豪を訪ねてⅡ」ではこのほど、東京都北区の田端界隈で学外研修を実施しました。担当は日本語・日本文学コースの重里徹也先生と李哲権先生です。

JR山手線の田端駅に集合して、まずは田端文士村記念館へ。明治中期まで静かな農村だった田端ですが、上野に東京美術学校(現・東京芸術大学)ができて以来、画家や陶芸家、続いて小説家や詩人が移り住み、文士村となりました。

文学者たちの中心は何といっても芥川龍之介です。おりしも記念館では企画展「芥川龍之介の生と死」が開催中でした。研究員の石川士朗先生の案内で、芥川の直筆原稿や初版本、手紙などを見ることができました。

特に、目をひいたのは芥川が最晩年に谷崎潤一郎と文学論を戦わせた随筆「続文芸的な、余りに文芸的な」の自筆原稿です。自殺する数カ月前に執筆したもので、その筆跡から緊迫した空気が伝わってきます。この企画展で初公開された資料でした。

記念館で常設展示されている芥川の田端の家の模型も楽しむことができました。学生たちの人気を集めたのは何といっても、文夫人です。庭で芥川にもらったラブレターを読んでいる彼女の姿を見つけて、歓声が上がりました。そして、天才作家の妻の苦労に思いをはせていたのです。制作を監修した記念館研究員の木口直子先生が笑顔で解説してくださいました。

次に記念館を出て、田端の街の散策です。芥川の旧居跡、芥川と文夫人が結婚した時に披露宴を開いた料亭の跡、芥川の死を確認した主治医の医院跡。坂の多い街を歩きながら、芥川の生涯について考えました。芥川はなぜ、自殺したのか。答えのなかなか出ない難問が、私たちの頭の中をグルグル回っていました。

事前授業で読んだ作品「蜜柑(みかん)」の貧しい人へのまなざし、晩年の小説「河童」に示された皮肉で鋭い思考。もっともっと、この人のことを考えよう。そんなことも思った一日になりました。

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