文学部・文学科 │ 聖徳大学

岩井秀樹先生、再び、日展特選

21.11.29

(日展会場で、ご自身の作品とともに写る岩井先生)

書道文化コース主任の岩井秀樹先生の作品が今年度の日展で特選に選ばれました。
2017年度に続いて2回目の快挙になります。

今回受賞したのは「定家 月のうた」という巻子本(かんすぼん、紙を横に長く継ぎ合わせて、軸を芯にして巻いたもの)作品。1190年秋、「花月百首」と題した歌会で、定家が詠んだ月の歌を題材にしています。この歌会は時期やテーマからみて、定家とともに新古今和歌集の歌人として名高い西行を追悼した歌会ではないかと推察されます。

歌は「秋の夜は月ともわかぬながめゆゑ そでにこほりのかげぞみちぬる 見るゆめは萩の葉風にとだえして 思もあへぬ閨の月かげ(以下略)」と続きます。

審査では「文字が集団となりやがて消えゆく様は、このタイトルのように雲間の月の如き美しさである。多様な秀作が揃(そろ)った仮名作品の中、格調ということでは一つ抜き出た傑作」と絶賛されました。

確かに作品をじっと眺めていると、そこに見え隠れする月の姿が目に浮かぶような気がしてきます。会場でも、この作品の周囲には異質の時間が流れているような思いにかられました。

岩井先生は「古筆の品格を失わない仮名を書きたいと思いました。古筆の墨の濃淡や散らし方を参考にしながら、料紙の立体感の力も借りました」「巻子本スタイルの作品の集大成的なものです。これからも精進を続けたいと思います」と話しています。


(会場で手に入る、岩井先生の作品を写真にしたもの。墨の濃淡の変化、行に高低をつけた「散らし書き」という手法の美しさをご覧ください)

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