文学部・文学科 │ 聖徳大学

歴史文化コース推薦図書①

20.04.06

新入生の皆さんと、在学している学生の皆さんに、歴史文化コースの先生からこの期間にお勧めできる本やサイトのご紹介です。コースの特色がとても良く出ているお勧めになっています。良書との素晴らしい出会いになればと思っています!

【新入生・高校生向け】

<歴史学>
・坂口安吾『堕落論・日本文化私観』(岩波文庫ほか)(kindle版あり) →Amazon 青空文庫
坂口安吾(1906-1955)のエッセイ集ですが、日本文化や歴史を学ぶ学生にはこの中の「日本文化私観」を読んでもらいたいです。「日本文化私観」は戦争中の1942年に発表されました。文章の最後に、「法隆寺も平等院も焼けてしまって一向に困らぬ。必要ならば、法隆寺をとりこわして停車場をつくるがいい」という表現があります。坂口はなぜこのような言葉を発したのでしょうか。日本の「伝統」とは何か、そもそも「文化」とは何か、考えながら読んでみてください。
なお、「日本文化私観」は青空文庫にも入っております。できれば、和辻哲郎『古寺巡礼』(岩波文庫ほか)と読み比べてください。(推薦者:黒須利夫先生)

<美術史>
「美術史」という授業科目は高校にはありません。日本史の教科書の「文化」欄に部分的に出てくるだけですね。美術史はまず作品を見ることから始まりますので、本を読む前に、博物館や美術館のサイトを覗いてみてはいかがでしょう。
たとえば、上野にある東京国立博物館。通称トーハク。
https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1255
これから予定されている展覧会の情報や、国宝の画像を拡大して見ることができます。
もちろん作品解説も付いています。
あるいは、竹橋にある東京国立近代美術館。
https://www.momat.go.jp/am/collection/masterpieces/
ここには明治から現代までのアートが展示されています。大学入学後はRE科目で、実物の作品を見に行きますので、ネット上で見た画像と実物との違いを実感できるといいですね。(推薦者:桑原規子先生)

<考古学>
・田中琢・佐原真『考古学の散歩道』(岩波新書 新赤版312)780円+税 →Amazon
日本人とは? 日本的な技術と文化とは? 考古学の情報が現代に伝えるメッセージとは? 「紀元前後のボートピープル」「キモノと装身具」「地震を発掘する」「戦争の起源」「考古学者の戦争」などなど、興味深いエピソードから現代の争点となる問題まで、考古学者が縦横に論じた本です。(推薦者:松尾昌彦先生)

【在学生向け】

<民俗学>
・柳田国男『年中行事覚書』(講談社学術文庫)780円 →Amazon 青空文庫
「節句」と「節供」、違いはわかりますか?ひな祭り、端午の節供、七夕…本書では当たり前のようにある一年の行事を、歴史とともに解説される民俗学の名著です。非日常のときだからこそ、毎年繰り返しおこなわれる時間を考えたい。なお、電子図書館「青空文庫」にあるので、インターネット環境があれば気軽に読むことができますよ。(推薦者:石本敏也先生)

<歴史学>
・小田中直樹『歴史学って何だ?』(PHP新書)680円+税 (kindle版あり) →Amazon
学問は単なる思い付きや願望とは異なる。そこには長年にわたって蓄積されてきた先人たちの叡智の蓄積がある。歴史学は科学であり、私見によれば、科学とは個々の事象を構成する因果関係を貫く法則性を発見する営みに他ならない。歴史学が学問であると同時に科学でもあるということは、踏まえられるべき手続があり、方法があるということでもある。本書は、歴史学という営みがすぐれて自らの頭で考えなければならない創造的な営みであることに、改めて気付かせてくれる好著である。(推薦者:大庭邦彦先生)

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