教育学部・児童学科 │ 聖徳大学

卒業生紹介(22)特別支援学校で子どものニーズにあわせた教材を工夫しています

20.11.27

皆さん、こんにちは!
聖徳大学児童学科は、長年特別支援教育にも力を入れてきました。
今回紹介する卒業生は、児童心理コースを卒業し特別支援学校に就職して7年目のHさんです。
Hさんは、大学で心理学の勉強をしながら小学校教員免許状、特別支援学校教員免許状をとり、公立特別支援学校教員採用試験に合格し、夢であった特別支援学校の先生になりました。
本日は特別支援学校で実際に使っている自作教材も持ってきてくださいました。

インタビューアーは、特別支援教育コース主任の太田先生とHさんのゼミを担当していた腰川先生です。

 

Q,Hさん、こんにちは。本日は貴重なお休みを返上して、本学の後輩のためにお越しくださり、ありがとうございます。
A,こんにちは!卒業してから久しぶりに聖徳大学に来て、懐かしさでいっぱいです。
Q,今はどんな学校でお仕事をされてきたのですか。
A,公立の特別支援学校の教員です。3月までは、複数の部門をもつ特別支援学校に勤めていました。
初めて担任したのは知的障害部門の2年生でした。
そのあともう一度2年生を担任し、その子どもたちを6年生まで担任して、そして4月から新しい特別支援学校に異動になりました。

 

Q,4月からは、どんな学校にお勤めですか。
A,最近新しく開校した特別支援学校です。
今年は知的障害の部門の1年生を担任しています。
新しい学校で、始めて担任する1年生と、気持ちを新たに、さらにスキルアップできるよう頑張ろうと思っています。
Q,素晴らしいですね!

さて、Hさんが卒業されたころには無かったのですが、3年前から本学にも「特別支援教育コース」ができました。

特別支援学校での授業は特に一人一人の子どもたちの興味・関心を引き付けるための工夫が大切です。
今日はHさんの自作教材をもってきていただいたので、ここからは、それらを見せていただきながら、お話を伺いたいと思います。

 

A,はい、まず初めに、「風船」のペープサートです。
Q,かわいらしい!! 子どもたちがとっても喜びそう!!
A, はい。これは子どもたちにとても人気のある教材でした。
特別支援学校では、人数は少ないけれど、一人一人の発達段階や興味関心が様々です。
授業では、そんなさまざまな子どもたちが参加でき、楽しめるものをいつも考えているのです。

 

Q,どのように使うのですか。
A,まず、風船の色に着目して、同じ色の絵カードを取ってマジックテープが付いている風船につけます。
色のマッチングですね。絵カードは、果物、キャラクター、身の回りのものなど、子どもたちがよく知っているものを作っています。
色の中でもわかりやすいのは、赤、青、黄色などですね。

 


Q,選ぶものを増やせば、どんどん発展できる教材ですね。
A,はい、色も、オレンジ、ピンク、紫などの中間色を加えていきます。マッチングする絵カードも子どもたちの発達によって難易度を上げることができます。
また、活動の最後には、歌を歌いながらしめくくると、全員が「よかったね」「できたね」という気持ちで終わることができます。
Q, それは大切なことですね。成功経験が次の意欲につながるのですね。
A,はい。そういう意味でも、この教材は子どもたちに人気がありました。

 

次は、就業体験の事前指導の教材を紹介します。「お寿司屋さん」という教材です。
Q,うわあ、海苔巻きですか!?

 

A, はい、お寿司屋さんに就業体験にいくので、その事前指導用です。
まず、海苔巻きを作る手順を教えるために、何度でも繰り返し使えるようにフェルトで作りました。

 

Q,よくできでいますねえ!かんぴょうが特にいい感じです!
A,はじめに海苔の上にすし飯を置き、具をのせて巻いて、しっかりと握る、ということを覚えさせます。

 

Q,これは何ですか?
A,このホワイトボードは「手順書」です。
海苔巻きに入れるかんぴょう、きゅうり、たまごの数が書いてあります。その数どおりに具をとって巻かないていけません。
Q,なるほど。就業体験ですから、楽しむというよりも、きちんと手順書どおりにやることが大切なのですね。
A,はい。そのためには、手順書どおりに具が入っているか、確認が必要なのです。巻いたものを開いて…。
Q,確かに、本当に海苔とご飯を使っては、確認ができませんね。まずは、この教材で何をいくつ入れて巻くのかを体験して理解するわけですね。
でも、この手作りの感じはとっても楽しそうです。
たまごはスナップで付けるようになっているのですね。
A,はい、指先の訓練にもなるので、スナップを付けました。

 

Q,こちらの3枚の絵カードはどのような学習のために使うのですか?
A, これは、ものの名前が分かってきた子どもたちに次のステップとして、ものの仲間を理解してもらう教材になります。
みんなが食べているぶどうとバナナとももは、くだものという仲間なんだよねということを3つの絵カードを貼れるように工夫したボードで見せて教えます。
リングに絵カードを通しているので、ひっくり返すと違う絵カードが出てきて、これは果物かな、違うかな?などと仲間かどうかを比較することもできるのです。

 

Q.なるほど、名詞の次の学習になりますね。こちらは、着るものの仲間ですか?
A.はい、この靴下と手袋と帽子を見てください。これは、靴下は足にはくもの、手袋は手にはめるもの、帽子は頭にかぶるよね、というように身に着ける場所は違うけれども体に身に着ける仲間だとわかります。次に靴下とスカート、ズボンはどれもはくものだよねというように身に着けるものでもさらに仲間に分けることができます。

 

Q.レストランと書いてありますね。これは?
A.校外学習でレストランに行くのであれば、事前にレストランで食べるものはどれ?レストランにはないものはどれ?という学習ができるように使います。
3つのカードの中にレストランには絶対にないものを加えておいて、あれ?これは違うぞと気づいてもらうわけです。
洋服屋さんにはなにがある?などとレパートリーを広げて、お店のイメージと仲間の学習をつなげていくわけです。
Q,生活単元学習としてもぴったりですね。身近なもので子どもたちも興味がわきます。
A,そうなのです。身近な題材はこどもたちも集中します。
こういう教材は、その学年それぞれの子どもたちの学びに応じてレパートリーも広げられますし、どんどん絵カードや作ってしまいますね。

 

Q,こういう教材は、どのようにして作るのですか。
A,はい、身近で手に入れやすいものを使って、まず作ってみます。
いろんなお店を覗いて、作って、子どもたちに使ってもらい、ここが分かりにくいと思えば改良して…それがすごく楽しいです。
Q,特別支援教育ならではの、楽しみであり、やりがいでもありますね。

 

A,こういう教材は、今担任している子どもたちのニーズが違うのでもう使いません。
子どもが違うと使う教材も変わってきます。
教材に子どもを合わせるのではなく、子どもの発達やニーズに合わせた教材を作って行くことが大切なのです。
時には、教材づくりに自分が夢中になって、子どものニーズを忘れてしまうことがあるのですけど、そういう「熱心さ」は慎まなくては、と思っています。
ですので、これらの教材は大学にプレゼントします。
Q,わあ、いいのですか?
A,はい、後輩の方々の参考になれば幸いです。
Q,それでは、ありがたく頂戴して、Hさんの貴重な体験談とともに、特別支援教育を志す後輩の皆さんに伝えていきますね。

 

Q,最後に、特別支援学校の先生や障害のある子どもに関わりたいと思っている後輩の皆さんへのメッセージは何かありますか?
A,特別支援教育は、決して難しいことではなく、一人ひとりの子どもにまっすぐ向き合える教育だと感じているところです。
私自身もちろん失敗だらけですが、「できたー!」という子どもの表情や「できているでしょ?」という視線がうれしくて、毎日試行錯誤しながら過ごしています。
学生の頃は、「これどういうこっちゃ?」と思っていたことが、「あの先生が話していたことってこれか!」と特別支援教育の現場に入ってから感じることが多く、もう一回同じことを学びたいくらいです。
今、学べる場所があるということは、きっと幸せなことです!
今ある学びの場所でとことん学べば、きっと将来の自分に感謝されると思います。
一緒に働いて、教材や子どものこと、もちろんそれ以外も話せる日を楽しみにしています。

Q,本日はお忙しい中、インタビューにご協力いただき、ありがとうございました。
どうかこれからも、時々は聖徳大学に来て、後輩を励ましてくださいね。

 

Hさん、たくさんの教材を持ってきてくださり、ありがとうございました!
特別支援学校での経験について本当に楽しそうに語ってくださいました。
一人ひとりの成長を一番に考えた日々の教材作りはやりがいがありますね!
これからも特別支援学校での教育について教えてくださいね。

 

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