文学部・文学科 │ 聖徳大学

RE科目「文豪を訪ねてⅠ」報告①

23.06.04

「日本一楽しく学ぶ」をコンセプトに開発された、聖徳大学文学部の体験型授業、 「RE科目」(REとは、Reality Experience:人生におけるとても貴重な本質的体験という意味)のご紹介です。

森鷗外はどんな食生活をしていたのか。夏目漱石はなぜ、三四郎池を小説の舞台に選んだのか。

作家ゆかりの土地を訪ねて作品世界への考察を深めるRE科目「文豪を訪ねてⅠ」はこのほど、1回目の学外授業を実施しました。まず訪れたのは東京都文京区千駄木の森鷗外記念館です。引率したのは日本語・日本文学コースの重里徹也、李哲権の両先生でした。

記念館は鷗外が暮らしていた場所に建っています。ちょうど特別企画展「鷗外の食」が開催中でした。明治期の日本。急速な近代化が進められる中で、肉食や乳製品、パンなどの西洋料理も普及していきます。

鷗外は医学者としての強い知的探求心から、食を大事にしたことがうかがえます。記念館では、食を通して鷗外を見つめると、家族を大事にする姿、質素な暮らしを好む性格、幅広い人物交流などが伝わってくると指摘しています。作品の舞台に選ばれた数々の料理店も興味深いところです。

会場には鷗外が出席した会食の献立、息子に送ったはがき、鷗外直筆写本の『膳部之事』(挿図とともに本膳料理や食事作法の解説をした)などを展示。人間・鷗外の一面に触れる思いがしてきました。

根津神社

その後、根津神社を訪れた後、東京大学の本郷キャンパスへ。安田講堂を見学してから、めざす三四郎池を訪れました。夏目漱石『三四郎』に登場することで名高い池です。

この池に来ていつも思うのは、大学のキャンパスの中にあるというのに、何か幻想的な雰囲気が漂っていることです。大げさにいえば、日常の中のちょっとした異界ともいえるでしょうか。それが小説の舞台として相性がいいのではないでしょうか。そんなことを語り合いながら、名作『三四郎』の場面を思い出していました。

三四郎池:都会の真ん中とは思えない雰囲気です
PAGE TOP