文学部・文学科 │ 聖徳大学

太宰治の残影を求めて―RE科目「文豪を訪ねてⅡ:芥川と太宰 最後の謎」報告①

21.12.06

(※写真撮影に際してのみ、マスクを外しています)

文学部の誇るRE科目(参加型体験授業)。秋学期に設置されている「文豪を訪ねてⅡ」ではこのほど、東京都三鷹市の文学散策に出かけました。

もちろん、お目当ては太宰治。今なお熱烈に支持されている無頼派作家は、晩年の約7年半を三鷹で過ごしました。この間に『斜陽』『ヴィヨンの妻』『人間失格』など名作の数々を執筆したのです。

引率したのは日本語・日本文学コースの重里徹也先生と李哲権先生。そして、今年も図書館情報コースの村山隆雄先生(図書館長)が特別参加してくださいました。

まず、訪ねたのは太宰治文学サロン。太宰が通い、その短編小説『十二月八日』にも登場する酒店の跡地に開かれた施設です。太宰ゆかりの写真や地図、直筆原稿や初版本、太宰の居宅の模型などを見学しました。お土産に絵はがきや一筆箋(せん)を求められるのも文学館の楽しみです。

次に太宰とともに死んだ愛人の山崎富栄の下宿跡、2人がよく訪れた小料理店の跡、さらには2人が身を投げた玉川上水を散策しました。上水は穏やかに水が流れているようでした。太宰の旧居跡まで歩くと、太宰が70年以上前に歩いた道を追体験しているようでした。

旧居跡の近くでは晩年の名作の一つ「おさん」に登場する百日紅(さるすべり)の木を眺めることができました。旧居の玄関前にあったものを移植したものです。

最後はお墓のある禅林寺へ。斜め前には森鷗外のお墓もあります。一人一人、順番に手を合わせました。

よく晴れた秋の一日。太宰の作品世界に確かに触れたような気がした数時間になりました。

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