文学部・文学科 │ 聖徳大学

2020年度秋学期RE科目がはじまりました!

20.09.21

 

 文学部1年生を対象に、「学びの楽しさと感動」をコンセプトとした、本物を見て学びを深める「RE科目」(正式科目名は「人文科学入門」)が開講されました。
春学期同様オンライン講義という形式ですが、実地での学びを知る魅力の詰まった講義です。本年は新たに、「一流のホスピタリティを訪ねてⅡ」が加わり、より充実した科目内容となっています。秋学期第一回目のガイダンスでは各担当教員より丁寧な説明がなされましたよ。概要は以下の通りです。

「ディズニーの世界―作品の魅力―  」担当:竝木先生、腹部先生、長橋先生、佐々木先生、村山先生
アメリカ文化の優れた例としてウォルト・ディズニーの作品を取り上げます。最初にディズニーの生涯や信条、独特の考え方について、英語の資料や彼の詳しい伝記を元に話をし、この授業全体への導入とします。次に彼の数多いアニメ映画とそれらの原作などを比較して、どこが同じでどこが違うかなどについて掘り下げます。最後に、彼の代表的な作品と考えられる世界中のディズニーリゾートの中で最もリピーター率の高い東京ディズニーランドへ、グループごとに課題を決めて出かけ、1日アトラクションを楽しみながら課題を探求します。最後の授業では、グループごとにたてた課題についてパワーポイントを使った資料を用いて、メンバー全員が参加してプレゼンテーションを行います。

「一流のホスピタリティを訪ねてⅡ -ホテル業界編-」  担当:菊地先生、高橋先生、熊井先生
秋学期は、一流のホスピタリティをホテル業界から学びます。サービス品質に定評のあるホテルを取り上げ、授業での事前研究と実際にホテルを訪問する学外授業を実施します。まず、通常授業ではホテル業界の概況や最近のトピックを学び、業界全体の動向を掴んでいきます。次に、グループワークで業界・企業研究を行い、グループごとに事前学習の発表と学外授業後の発表を実施します。学んだことを各自レポートにまとめることによって、ホテルがなぜホスピタリティ産業に位置づけられるのか、より深く考えていきます。

「文豪を訪ねてⅡ-芥川と太宰 最後の謎-」  担当:重里先生、李先生
作家ゆかりの土地を訪れて、その作品世界に迫る参加型体験授業です。秋学期の「Ⅱ」で対象にする作家は芥川龍之介、太宰治を中心に、川端康成を加えた3人です。
講義では毎回1つの作品を取り上げます。授業の前に読んでおくことが必須です。短編が多く、無料で読めるウエブの青空文庫に収録されているものがほとんどなので、無理なく読めると思います。長編などで、最後まで読むのが難しい場合は、冒頭部分を読んで、雰囲気をつかんでおいてください。学外授業は例年だと東京都内で2回実施します。1回は、北区の田端文士村記念館。芥川龍之介が住んでいた場所が近くにあります。もう1回は、太宰治が住んでいた三鷹市界隈。太宰や太宰の愛人、山崎富栄が住んでいた場所、2人が入水した玉川上水の岸辺などを回った後、太宰の墓にお参りします。太宰の墓のすぐ近くには森鷗外の墓があります。

「戦国大名-戦国を生きた男達-」    担当:黒須先生、藤井先生
この講義では、関東を代表する戦国大名である北条氏を主に取り上げ、上杉謙信や豊臣秀吉との争いの中から、戦国時代の特質や戦国大名という存在の魅力について考えていきます。学外授業については、通常は2ヶ所を考えております。まず第1に、十分に北条氏・小田原城を調べた後に、小田原城を「城攻め」します。難攻不落の堅城と言われた小田原城の周囲や堀割を探索し、戦国時代の息吹を感じてもらいます。次に、戦国時代の遺物を展示している博物館に赴き、戦国大名の存在を身近に感じてもらいたいと思います。ただし、今年度については状況に応じて、実習の場所を選んで行きたいと考えております。(小田原巡検は、来年度も参加できます。)

「新選組を歩く-新撰組隊士たちの幕末史-」  担当:大庭先生、石本先生
新選組は、幕末、14代将軍徳川家茂の上洛に供奉して、将軍の身辺警護に当った浪士を中心とする有志集団をその直接の前身とします。彼等はそれぞれ出自を異にするものの、自らの剣の力をもって尽忠報国の誠を尽くす、剣客集団であったところに共通性を求めることができます。そのメンバーがそれぞれ魅力的であったことから小説やドラマに取り上げられ、虚実ないまぜの新選組イメージが作られることにもなりました。
「新選組を歩く」をRE科目として取り上げる際のキ-ワードは「認識」と「感得」です。「認識」とは、最近の新選組関係史料の発見も踏まえ、新選組研究の状況をサーベイしながら、史料の検証を通じて、史実に基づく新選組像を改めて立ち上げ直していきます。主として教室における座学が「認識」にあたります。一方、「感得」は、巡見を通じて、新選組が活躍した場=空間と時間を共有します。そこでは、彼らが何を思い、何を意図してその「時」を生きていたのか、彼らが活躍した場を訪ね、彼らと経験を共有することを通して、彼等の思いに近づき、彼等の思いに寄り添うことを目指します。そこから新選組に対するイメージをより具体化し、より豊饒なものとしていきます。具体的には新選組が活躍した、京都(京都守護にあたった会津藩が陣所とした金戒光明寺と新選組が最初に屯所を置いた壬生の間を歩く)、調布・日野(近藤勇や土方歳三らが生まれ育った新選組の多摩草莽グループの拠点)、流山(近藤勇の投降地)、板橋(近藤勇の処刑地)といった新選組関係史跡を巡見することでその目的を果たしたいと考えています。

今年は例年と異なり、ディズニーランド、京都巡見が断念せざる得ないという説明もありましたが、希望者は来年に参加が可能な旨も伝えられました。また先生たちもこの状況下にあわせて別の巡見地候補を選定していたりと、準備と工夫を重ねた学びの計画が示されていましたよ。文学部の先生たちの講義に向けた熱意が良く伝わるガイダンスになっていました。
本物を感じ学びを深めるRE講義が始まりました!

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