文学部・文学科 │ 聖徳大学

文学部卒業生がエッセイ集を刊行 忍足みかんさん『#スマホの奴隷をやめたくて』

20.01.20

聖徳大学文学部の卒業生が「忍足みかん」のペンネームで、エッセイ集『#スマホの奴隷をやめたくて』(文芸社)を刊行しました。このほど、母校を訪問してくれました。

忍足さんは1994年生まれ。2017年に聖徳大学文学部の日本語・日本文学コースを卒業しました。在学中は文芸研究同好会に所属し、「野分三騎」の名前で小説や短歌を執筆して活躍しました。

「同好会では、聖徳祭に向けてパネルを作ったり、おそろいのパーカーを着たりして、青春していました。懐かしいです」と振り返ってくれました。卒業論文では、太宰治、川端康成、三島由紀夫の私生活と作品の関係を論じ、いずれも自殺した3人の文豪の精神に迫りました。

エッセイストデビューになった今回の本は400字詰め原稿用紙にして、約150枚の力作。スマートフォンの便利さや楽しさに夢中になり、依存症のような状態になって、自分を見失ってしまう危機に陥った後、そこから、なんとか抜け出して日常を取り戻していく軌跡が、軽妙な文章でつづられています。

ネット依存症は現代の若者を取り巻く深刻な問題ですが、忍足さんは自分の体験をユーモアたっぷりに描き出し、人生において何が大切なのか、と読者に問いかけています。最後には「スマホの奴隷をやめる12の法則」もまとめられています。

「他者とのつながりが簡単にできる社会は、反面、簡単に縁が切れる社会です。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)は便利な一方で、現実からずれていく地獄のような危険もはらんでいます。そんな風潮を相対化し、批評したいと思ったのです」と話します。

18歳から25歳まで、スマホとどう付き合ったかが書かれたエッセイですが、それは忍足さん自身の精神遍歴をたどった一冊にもなっています。イラストは聖徳大学付属女子高時代の同級生が描いてくれました。

大学卒業後は大手生命保険会社に勤めていましたが、昨秋に退職。今後は小説も書きたいと抱負を話していました。好きな作家として、吉田修一さんや石田衣良さんの名前を挙げていました。

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