文学部・文学科 │ 聖徳大学

日本語・日本文学コース 口頭試問

23.03.21

日本語・日本文学コースの口頭試問は、2日間に分けて対面方式で行われました。対面での口頭試問は2年ぶりのことになります。
学生は1人ずつ試問室に入り、主査・副査の先生を中心に、コースの先生5人から質問や指摘を受け、それに答えていきます。時には、鋭く厳しい指摘を受けることもあります。

今年度の卒業論文のラインナップを紹介していきましょう。

まず古典文学では、神話に出てくる月の神「ツクヨミ」について、『古事記』『日本書紀』の記述を中心に、『万葉集』『風土記』逸文にまで目配りしながら論じた労作が目をひきました。
そのほかにも、『古今集』の聴覚表現『源氏物語』の着物清少納言と紫式部の比較といった、平安時代を代表する作品や作家の研究も多く見られました。
陰陽師源義経桃太郎という伝説的存在について、さまざまな作品をふまえて論じたものもあります。

近代文学では、太宰治川端康成坂口安吾谷崎潤一郎といった文豪の作品をとりあげた卒論が多く見られました。複数の作品を読み込みその作家の特徴を明らかにする、あるいは、大作に挑む、海外作品との比較研究を行う、など、卒論の文章から学生の皆さんの意気込みが伝わってきます。

また、今年度の大きな特徴として挙げられるのが、「現代の日本語」の姿を明らかにする日本語学の力作です。現代の日本語は「スマホ」など3文字の略語が増加傾向にあるといわれますが、それを地道な調査で確かめたもの、「無理」「やばい」といった言葉の新しい用法を、Twitterなどのツールを利用して分類・考察したものなど、興味深い研究が並びました。

「日本語・日本文学コース」の名の通り、日本語と古代から現代までの日本文学を幅広く学べるのがこのコースの特徴です。
『枕草子』のオノマトペ(擬音語や擬態語のこと)の用例から、清少納言の感性を明らかにした卒論などは、その学びを生かしたものといえるでしょう。

口頭試問の締めくくりは、学生1人1人が自分の言葉で、この4年間と卒業論文について振り返ります。中には感極まって涙ぐむ人もいました。

卒業論文は、早い人は3年生の頃からテーマを定め、1年以上にわたって、そのテーマに向き合うことになります。時に孤独な作業でもありますが、それを乗り越えることで、大きく成長し、確かな充実感を手にすることができます。
「やりきった」という手応えを感じられた人も、「もっとこうすればよかった」と後悔が残った人も、
この経験を生かし、4年生の皆さんが、これから先の自分の人生を切り拓いていくことを期待しています。

控室の様子。口頭試問を終えてリラックスした表情の人も。
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