文学部・文学科 │ 聖徳大学

日本語・日本文学コース口頭試問

22.02.21

日本語・日本文学コースの口頭試問は、2日間に分けてオンライン方式で行われました。
学生は1人ずつ、オンライン上の試問室に入り、主査・副査の先生を中心に、コースの先生全員から質問や指摘を受け、それに答えていきます。
先生方も卒論を丁寧に読み込んできましたので、時には、鋭く厳しい指摘を受けることもあります。

今年度の卒業論文のラインナップを紹介していきましょう。

まずは古典文学を対象にした労作が挙げられます。
上代文学や漢文資料まで丁寧に調査を進め、『竹取物語』作者の独自性を明らかにしたもの。
『古事記』『日本書紀』『万葉集』と比較しながら、『古今和歌集』の色の表現の特徴を示したもの。
『源氏物語』の夕顔と浮舟をとりあげ、場面設定だけでなく人物造型でも2人が似ていることを明らかにした上で、浮舟がヒロインとして生き残る結末をさまざまな視点から考察したもの。
果敢に古典作品に挑んだことがうかがえます。

近代文学の人気作品をとりあげた卒論では、夏目漱石をとりあげた論文が目をひきました。
漱石と魯迅の作品に登場する「知識人」に注目し、作家の経歴もふまえて影響関係を明らかにした比較文学研究。
『それから』『三四郎』を中心に、作品に描かれる色彩表現と物語展開の関係性に注目し、描く男/染まる女という特徴を示したもの。
いずれも、今後さらに深化した研究が期待できるものでした。

今年度の大きな特徴として挙げられるのが、村上春樹や小川洋子といった、現代を代表する小説家の作品をとりあげた論文が複数あったことです。
お互いの作品を読み込みながら切磋琢磨したことが、深い考察につながり、非常にレベルの高い卒論に仕上がっていました。

口頭試問の最後は、この4年間と卒論執筆を振り返って学生1人1人がコメントをし、記念撮影をしました。
達成感あふれる笑顔で写る人がほとんどですが、中には途中で感極まって涙ぐむ人も。
それは、真摯に作品と向き合い、自分の言葉で表現しようと一生懸命取り組んだことの証ですね。

卒業論文は、誰かに言われたからやるという勉強ではありません。
自分でテーマを決め、自分1人で進めていく、時に孤独な作業でもあります。
しかし、それを乗り越えることで、大きく成長し、確かな充実感を手にすることができます。
4年生の皆さんにも、この経験を生かし、これから先の自分の人生を切り拓いてほしいと願ってやみません。

 

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