文学部・文学科 │ 聖徳大学

日本語・日本文学コース推薦図書②:外国文学編

20.04.27

【1年生・高校生対象】 
・ディケンズ『オリバー・ツイスト』(唐戸信嘉訳、光文社古典新訳文庫) →Amazon 
あなたには小説を読む喜びを心底から、味わってほしい。ディケンズは19世紀の英国の文豪です。この作品は孤児のオリバーが成長する姿を描きますが、登場する悪人や善人、正直者や俗物がすべて血の通った筆で描かれます。唐戸先生の温かさあふれる新訳で!
(推薦者:重里徹也先生)

・ゲーテ『若きウェルテルの悩み』(高橋義孝訳、新潮文庫) Kindle版あり →Amazon
ドイツが生んだテクスト、ひとに恋をして失恋をし、絶望して自殺する主人公、それは自分の青春を恋にささげた作家ゲーテの青春の物語でもあります。ゆえに、そのような激しい感情を吐露するためにはどうしても「書簡体」という小説形式が必要でした。
「ひとは書くことで救われる」、実際のゲーテはこの小説を書くことで自殺せずに救われ、その後の偉大な人生を約束されます。
「ひとは読むことで救われる」、実際にゲーテのこの小説を読むことで自分を救済し、自己を昇華させてみましょう。
(推薦者:李哲権先生)

 【2年、3年、4年生対象】 
・ドストエフスキー『罪と罰』(亀山郁夫訳、光文社古典新訳文庫)kindle版あり →Amazon 
はっきり言って、この作品を読んでいないということは、「小説」という言葉の意味を知らないのと同じです。小説とはどこまで深く人間を描くものか。それを体験してほしい。金貸しの老女をある理論から殺してしまう貧乏な大学生、ラスコーリニコフに付き合って、この世の真理について考えてほしいと思います。
(推薦者:重里徹也先生)

・ルソー『懺悔録』(石川戯庵訳 岩波文庫) →Amazon(中古) 日本の古本屋
フランスが生んだテクスト、ひとに天才的気質を認められてロマン主義の元祖とまで言われた哲学的作家、この作品は「懺悔の書」ではなく、迫害妄想に陥った作家の「自己弁明の書」であります。ゆえに、この作品は「理性は嘘をつくが、感情は嘘をつかない」という信念(偽装された信念)のもとに、「告白体」(告白は文学における一つの形式であり、制度である。)という小説形式を借りています。
「ひとは書くことで自己を創ることができる」、この書は「自己イメージの生産のテクノロジー」を教えてくれた近代文学の最初の書です。
「ひとは読むことで自己を創ることができる」、この書を読んで「自己の物語」を創ってみましょう。そして自己(=テクスト=織り物)をひとに読んでもらいましょう。
(推薦者:李哲権先生)

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