教育学部・教育学科 │ 聖徳大学

「特別支援教育総論」学科を超えて学び合う、ICTを活用した障害児支援~「主体的・対話的で深い学び」を目指して~

22.05.02

皆さんこんにちは!

1日に入学式、2~9日に新入生オリエンテーションやFP(導入研修)と、慌ただしい日が続いた4月、大学1年の3回目の授業の様子を紹介します。

「特別支援教育総論」は、幼稚園や小学校の教員免許の必修に位置づけられる、障害のある幼児児童生徒への教育場面における理解と支援を学ぶ科目です。

教育へのICT活用、特に障害児への支援を研究する、児童学科東原文子先生の、自身の実践記録の貴重映像から、障害児の苦戦を理解し、支援法を学びます。

ゴールデンウィーク直前の夕方でしたが、皆、真剣なまなざしで学びに向かっていました。

 

今年度から全学で新入生は入学に際しPCを準備することに。そのためPCを机上に置く学生も増えています。

授業最後の振り返りタイムではPCかスマートフォンで課題に対する回答を入力して提出するため、授業中にメモをPCで取る学生もいます。

 

映像視聴の後は、映像に登場した男児の不自由さと、その不自由を取り払う方法を実際に学生達が擬似体験するというワーク。

その男児は手が不自由で、白地図と色鉛筆での「コメの生産高の色塗り学習」(何万トンかにより3色に塗り分ける)では、授業中に3県しか塗れず悔しい思いをしました。

そこでその日の放課後、相談室でPCを活用したら、その子も色の塗り分けが簡単にできた、という成功事例です。

 

まずは、利き手でない方の手で白地図を塗ってみます。おっと、なかなかうまく塗れません。

「いらいらする」「ほかの人において行かれる不安」「もどかしい」・・・ほんの少しだけ、対象児の気持ちがわかる気がしてきました。

 

そこで、今度はスマートフォンやPCで、アプリを使ってワンクリックで色塗り。

 

「え!?簡単!」「安心。これなら利き手が怪我していても、ついていけそう」「そうか、利き手を怪我したら、誰でも対象児と同じ立場になるのか・・・。」

わずか15分間の擬似体験で<主体的な学び>をし、大きな収穫がありました。しかし、実はこの後、さらに授業は盛り上がります。

この授業は児童学科幼稚園教員養成コースと、教育学科小学校教員養成コース、特別支援教育コースの合同授業です。

たいがいの場合、クラスごとの少人数の授業ですので学科をまたぐことはありませんが、本授業は珍しく学部合同。

 

大規模授業でも2~4名のグループディスカッション。

しかも、あえて児童学科学生と教育学科学生を通路隔てた隣同士の座席にし、学科混合での<対話的な学び>に挑戦します。

 

感染症予防のため10分間程度に抑えたディスカッションや質問タイムを終え、最後の15分間は、各自教科書を出して静かな独習。

「障害者差別解消法」「合理的配慮」「学習のユニバーサルデザイン」といった専門用語の解説と、擬似体験を結び付けます。

障害のある人が社会参加するために必要な手段や道具立てなど要望に応じることが「合理的配慮」であり、さらには現在推進されている小学校での1人1台タブレット環境ならば、特別扱いではなく級友と共にPCを使える、ユニバーサルデザインとしてのICT活用が可能なのだと気づきながら、<深い学び>をしていきます。

 

そしてPCやスマートフォンで入力された振り返りコメントでは、

「(利き手でない方の手だと)グジャグジャとなってしまいました。今まで出会ってきた人達のことを私はなにも理解出来ていなかったのだなと感じました。」

「ここで重要なのは米の生産高で、色塗り手段は何でもよいのだ」などの気づきが出されました。

また、児童学科の学生が、「教育学科の人と話し合って、自分と同じ意見もあったし違う立場から見る意見もあって良い経験になった。」と書いていました。

 

3回の授業ですっかり仲良くなった両学科の学生達。

「人はみな、乳幼児期・児童期を経て大きくなっていく。この子はこの先どう成長していくのだろう、逆に、成長を妨げるものがあるとしたら、どうやってそれを取り除けばよいだろう、と考えていくのに、両学科の学生の協力が必要なのです」と、東原先生。

あえて、幼稚園教諭免許や保育士資格を取得する児童学科学生と、小学校や特別支援学校の教諭免許を取得する教育学科学生を隣同士に配置した座席作戦は、大成功でした。

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