文学部・文学科 │ 聖徳大学

RE科目「恋の歌を読む―百人一首を中心に―」報告②

24.09.24

「日本一楽しく学ぶ」をコンセプトに設置された、聖徳大学文学部の参加型体験授業「RE科目」(REとは、Reality Experience:「人生におけるとても貴重な本質的体験」という意味)のご紹介です。

RE科目「恋の歌を読む―百人一首を中心に―」は、百人一首の歌とその歌人を中心に学びを深め、
平安時代や鎌倉時代の「かな」で書かれた作品を鑑賞する授業
です。
本物に触れ、先人たちの筆づかいや紙の美しさ、和歌にこめた思いを実際に味わえるのが、この授業の魅力です。
今回は、2回目の学外授業と学内でのお宝鑑賞の様子をご紹介します。

2回目の学外研修では皇居東御苑を訪れ、皇居三の丸尚蔵館の開館記念展「皇室のみやび―受け継ぐ美―」を鑑賞しました。

皇居の大手門での集合写真

こちらは、百人一首を学ぶ皆さんを歓迎するかのように、「山里は冬ぞさびしさまさりける人目も草もかれぬと思へば」(源宗于朝臣)の歌の部分が開かれていた、伝藤原行成筆「粘葉本和漢朗詠集」。
美しい唐紙が目を惹きます。

なんと今回は、特別にバックヤードに入れていただき、島谷館長と学芸員の髙梨さん、山田さんのお話をお聞きすることができました。
皇居三の丸尚蔵館(英:Museum of the Imperial Collections)は、昭和天皇の崩御後、国庫に帰属した美術品を保存、研究、公開するための施設として開設されました。
現在、収蔵庫と展示室を拡張するために建て替え工事が行われており、今回訪れたのは昨年11月に開館した第Ⅰ期棟です。2026年には第Ⅱ期棟も完成予定ということで、「ちょうど倍の広さになりますよ」(島谷館長)とのことです。

島谷館長からは、鑑賞のポイントも伝授していただきました。
「お気に入りを1点見つけて帰ってください。あれもこれもと欲張ると頭に残らない。最低1点、多くても3点というのがおすすめです」
「『絵を見て書を読む』のが一般的かもしれませんが、その逆、『書を見て絵を読む』をおすすめしたい」
というアドバイスもありました。

学芸員の山田さんは、何と取手聖徳女子高等学校の卒業生。
「自分の名前に使われている字を探してみる、そんな楽しみ方もできますよ」
と、後輩たちに鑑賞を楽しむコツを教えてくださいました。

皇居三の丸尚蔵館の所蔵品についての発表の様子

春学期の締めくくりとして行われた授業では、聖徳大学が所蔵する百人一首にまつわる作品の数々を間近で鑑賞することができました。

(左)百人一首色紙形  (右)奈良絵本百人一首


「百人一首色紙形」は、美しい色紙に百人一首の歌が1首ずつ書かれたもの。変体仮名という現在のひらがなとは異なった字で書かれていますし、散らし書きされていますので、「推し歌」を探すのがちょっと大変。変体仮名の実践授業ともなりました。
また聖徳大学には、「奈良絵本」と呼ばれる、字はもちろん絵も肉筆で描かれた一点物の豪華な絵本の百人一首を複数所蔵しています。歌人の顔や着物の柄、岩絵の具の使い方などを見比べて楽しみました。  

写本(筆で書写した本)と版本(木版印刷した本)の違い、わかるかな?

百人一首かるた取りに始まり、座学での百人一首や歌人、小倉色紙についての授業に加え、2回の学外研修と学内のお宝鑑賞。
盛りだくさんの内容となった「恋の歌を読む―百人一首を中心に―」
皆さんの受講をお待ちしています。


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会 期:令和6年4月2日(火)~ 令和6年11月30日(土)
時 間:9:00~17:00(休館:日曜日・祝日と学事日程による休業日)
会 場:聖徳大学松戸キャンパス 1号館 聖徳博物館 / 8号館1階 企画展示ギャラリー
観覧料:無料


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