日本語日本文学コース口頭試問
26.03.07
日本語・日本文学コースの口頭試問は、1月21日、22日の2日間に分けて行われました。
卒業論文を提出した4年生の皆さんが1人ずつ試問室に入り、まず自分の卒業論文についてのまとめをしたあと、コースの5人の先生方から質問や指摘を受け、答えていくという形式になっています。


今年度の卒業論文も幅広いラインナップとなり、粒ぞろいの研究が揃いました。
古典文学では、全98巻106冊という大長編小説『南総里見八犬伝』の八つの玉について真っ向から論じた力作、『和泉式部日記』に描かれる月の表現を軸に、『和泉式部日記』と『和泉式部集』の関係を捉え、自作説を補強した論文など、興味深い研究がみられました。
作品横断的に考察する研究もあり、物語文学における〈琴(弦楽器の総称)〉の役割に注目したもの、説話文学における地獄と地蔵について論じたものなどの力作がありました。
これまでにない視点ということでは、近松門左衛門の世話浄瑠璃における人物名に注目したものが目を惹きました。近松作品には「与」という字の入った人物がよく登場するということを見抜き、その人物造型の共通性を考えた論文です。
近現代文学では、ここ数年、文豪・谷崎潤一郎の人気作、現在進行形で活躍する小川洋子の作品をとりあげる研究が続いていますが、今年度は岡本かの子作品における男性像、織田作之助の作品における「大阪女」を東京の女性と対比しつつ論じた労作が目を惹きました。
また、一昨年に生誕百年を迎えた安部公房の初期短編集『壁』を、さまざまな視点で読み解いた意欲作もあります。
日本語学の分野では、プリンセスとヴィランズに注目しディズニー映画のジェンダー表現を研究した論文が目を惹きました。カイ二乗検定という統計学も利用した労作です。また、ゲームキャラクターの名前における音象徴を研究した論文では、「星のカービィ」「あつまれどうぶつの森」といった人気ゲームを取り上げるなど、日本語学のテーマが身近なところにあることを感じさせます。
また、青森県八戸市方言、茨城県下妻市方言など、自らの出身地をテーマにした卒業研究もありました。言葉がどのように変化していくのかを明らかにした、大きな意義のある研究といっていいでしょう。

日本語・日本文学コースの卒業論文は、3年次からテーマを定め、1年以上にわたって、そのテーマに向き合うことがほとんどです。中には2年生の専門ゼミ入門の頃からずっと調査を続けたという人も。
口頭試問の締めくくりは、1人1人がこの4年間と卒業論文について振り返りました。
卒業論文の執筆は時に孤独な作業でもありますが、ゼミの仲間と励まし合ったり、先生方と相談したりしながら、12000字を超える文章を書き進めていきます。
これほど大部な文章を書くのは、一生のうちにこの時だけ、という人もいるかもしれません。
ですが、一心に作品あるいは言葉に向かい、先行研究をふまえて自分の言葉で表現するというやり方は、文学以外にも応用できる力であるはずです。
この聖徳大学文学部での経験を生かし、4年生の皆さんが、これから先の自分の人生を切り拓いていくことを期待しています。

















