文学部・文学科 │ 聖徳大学

RE科目「文豪を訪ねてⅡ」報告①

24.11.25

「日本一楽しく学ぶ」をコンセプトに開設された聖徳大学文学部の参加型体験授業、「RE科目」(REとは、Reality Experience:人生におけるとても貴重な本質的体験という意味)のご紹介です。

RE科目「文豪を訪ねてⅡ」では秋の一日、東京都三鷹市の文学散歩を楽しみました。学生たちに人気の作家、太宰治の世界を追体験するためです。

毎年のように卒業研究の対象に選ばれている無頼派作家、太宰治。その作品の中で男女がどのように描かれているか、戦争は日本人に何をもたらしたのか、その語りの特徴は何か、なぜ男性の太宰が女性の一人称でも傑作を残したのか。

テーマは無数にあります。太宰文学とは、いくらくんでも枯れない井戸のようです。優れた文学者は時代の変遷とともに成長していくとよくいわれますが、太宰治もそういう作家の一人でしょう。

その太宰治は昭和14年(1939年)から、亡くなる昭和23年(1948年)まで、疎開期間を除いて、三鷹で過ごしました。『斜陽』『人間失格』『ヴィヨンの妻』など、今も読み継がれる名作の数々も、ここ三鷹で書かれました。

JR三鷹駅に集合。まず、訪れたのは太宰治文学サロンです。太宰と縁の深い酒店の跡地を利用して建てられた文学ファンのいこいの場です。太宰が住んでいた家の模型、さまざまな写真や地図、直筆原稿などが見学できました。

地元のボランティアの方の詳しい解説を聴けるのも、三鷹の魅力です。この日も、丁寧で熱心な語りで名作群の世界にいざなってくださいました。

そのボランティアの方が、太宰愛用の黒マント(複製品)を持ってきてくださいました。早速、学生の一人が羽織って、「文豪気分」を味わっていました。

黒マントで文豪気分

次に訪れたのは、太宰と共に死んだ愛人の山崎富栄の下宿跡です。その向かいには太宰と山崎が編集者たちとともによく訪れた小料理屋の跡がありました。

2人が身を投げた玉川上水のほとりでは、学生たちが「えっ、ここで亡くなったの」と今は穏やかに流れる上水の周辺を意外そうに見つめていました。

太宰の居宅跡も訪ねました。近くにはサルスベリの木が立っています。名作『おさん』に登場するサルスベリです。居宅と三鷹駅の距離、居宅と山崎の下宿までの距離も、実際に歩くと体で実感することができました。

太宰ゆかりのサルスベリ

最後は禅林寺へお墓参りに。学生が持参したお線香を手向けて、一人一人が順番にお祈りしました。一体、何を語りかけていたのでしょう。

太宰の向かいには森鷗外のお墓もありました。太宰は尊敬している文豪の近くで眠ることができて、それはよかったのではないか、と話し合っていました。

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【お知らせ2】
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会 期:令和6年4月2日(火)~ 令和6年11月30日(土)
時 間:9:00~17:00(休館:日曜日・祝日と学事日程による休業日)
会 場:聖徳大学松戸キャンパス 1号館 聖徳博物館 / 8号館1階 企画展示ギャラリー
観覧料:無料

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