RE科目「文豪を訪ねてⅠ」報告②
24.08.04
「日本一楽しく学ぶ」をコンセプトに設置された、聖徳大学文学部の参加型体験授業「RE科目」(REとは、Reality Experience:「人生におけるとても貴重な本質的体験」という意味)のご紹介です。
作家ゆかりの土地を訪ね、その生涯と作品について考察を深めるRE科目「文豪を訪ねてⅠ」ではこのほど、2回目の学外授業として、東京都新宿区早稲田界隈の文学散歩を楽しみました。3つの文化施設を堪能する充実した授業になりました。
まず、訪れたのは新宿区立漱石山房記念館です。夏目漱石がかつて住んでいた土地に建てられた文学館で、数々の資料とともに、漱石が見た景色、漱石が吸った空気も味わえる貴重な施設です。日本の近代文学愛好者必見の場所といってもいいでしょう。
ちょうど、「『門』-夏目漱石の参禅-」というテーマ展示が開催中でした。漱石は1894年(明治27年)の年末から翌年の初めにかけて、円覚寺(鎌倉)に参禅しました。しかし、禅的な悟りは得られなかったとされています。この経験は1910年(明治43年)に発表された長編小説『門』に生かされています。
会場ではこの作品に関する資料や、後年になってから雲水(修行僧)との間にかわされた手紙などが展示されています。漱石は禅に何を求めたのか。興味深い思索に誘ってくれます。
『門』は前期三部作の最後の小説。親友を裏切って結ばれた夫婦の姿を描いています。果たして、その罪悪感から救われる道はあるのか。聖徳大学文学部でも、卒論に取り上げられることがある作品です。
次に早稲田大学を訪れました。学生街を通り抜け、キャンパスに入って、坪内逍遥(『小説神髄』や『当世書生気質』、シェイクスピア全集の翻訳で知られる明治期の文学者)ゆかりの演劇博物館を見学しました。特別展「文豪×演劇 エンパクコレクションにみる近代文学と演劇の世界」を開催中でした。
夏目漱石や森鷗外から、安部公房や三島由紀夫まで、作家たちと演劇との豊かなかかわりが楽しめました。また、同時開催の「文豪とアルケミスト」展も学生たちを喜ばせました。
最後は、早稲田大学のキャンパス内にある国際文学館(村上春樹ライブラリー)へ。のびのびとした空間で、現代を代表する作家の世界を楽しんでいました。
三つの施設とも、担当の学芸員の方やボランティアの方が詳しく解説をしてくださいました。おかげさまで、日本の近現代文学の多様な深みを体験した一日になりました。
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聖徳大学収蔵名品展「源氏と狭衣 王朝文学の世界」が、NHK総合「おはよう日本(関東甲信越)」で紹介されました。本学が所蔵する重要文化財『源氏物語』『狭衣物語』などの学術コレクションを大公開しております。ぜひお越しください。
会 期:令和6年4月2日(火)~ 令和6年11月30日(土)
時 間:9:00~17:00(休館:日曜日・祝日と学事日程による休業日)
会 場:聖徳大学松戸キャンパス 1号館 聖徳博物館 / 8号館1階 企画展示ギャラリー
観覧料:無料