文学部・文学科 │ 聖徳大学

RE科目「恋の歌を読む―百人一首を中心に―」報告①

23.08.06

見学後に記念撮影

「日本一楽しく学ぶ」をコンセプトに開発された、聖徳大学文学部の体験型授業、 「RE科目」(REとは、Reality Experience:人生におけるとても貴重な本質的体験という意味)のご紹介です。

RE科目「恋の歌を読む―百人一首を中心に―」は、百人一首の歌とその歌人を中心に学びを深め、
平安時代や鎌倉時代の「かな」で書かれた作品を鑑賞する授業です。
本物に触れ、先人たちの筆づかいや紙の美しさ、和歌にこめた思いを実際に味わえるのが、この授業の魅力です。

座学の授業では、百人一首の撰者といわれる藤原定家(ふじわらのていか)やその一族、百人一首の恋歌の背景などの内容を学んでいます。
また、担当の先生がお持ちの中世の写本や掛軸、精巧に作られた手鑑(てかがみ)の複製といった貴重な品を、ガラスケース越しではなく、目の前で見ることができる機会もあります。

教室でこんな貴重な品を見られるのは、このREだけ!

今回は、聖徳大学図書館の所蔵品を鑑賞する特別授業の様子をお伝えします。
図書館の8階にある聖徳博物館では、現在「聖徳学園創立90周年記念 聖徳学園所蔵名品展」が開催されています(11月30日まで)。
特別にその博物館の中で、百人一首に関する所蔵品を中心に見せていただきました。
また、特別ゲストとして、「酒呑童子絵巻」を研究されている千葉市立郷土博物館の外山信司先生にもおいでいただきました。

中でも目をひくのが、3種類ある「奈良絵本」の百人一首。
「奈良絵本」は、室町時代末期から江戸時代初期にかけてつくられた彩色の挿絵入りの写本です(なぜ「奈良」と呼ばれるようになったのかははっきりわかっていません)。
美しい紙に百人一首歌人の絵が一人ずつ描かれ、さらに和歌が書かれた、非常に豪華な絵本です。
3本並べてみると、それぞれ個性がありました。
推し歌人が、若々しく描いてあったり、思案する表情を見せていたり、とさまざまに描かれています。

左:「奈良絵本」の百人一首。絵も、和歌も、一つ一つ手でかかれた、一点物です。
右:江戸時代の公卿、近衛信尋(このえのぶひろ)が書いた百人一首色紙。推し歌人はあったかな?

厳重に管理されているお宝の数々を、図書館の学芸員の方が丁寧に開け、しまう、その手順を間近でみることもできました。
学生の皆さんは、絵巻を巻頭から巻軸まで全部見るという経験がもちろん初めて。
学芸員の方の「自分の腕の幅以上には広げずに見ていきます」という説明を聞きながら、右から左へと進んでいく「酒呑童子絵巻」のリアルな描写を楽しんでいました。

左:こんなに小さい百人一首のカルタ!どこのお姫様のカルタだったのでしょうか。「片手で何枚も取れてしまいそう」の声も。
右:リアルな「酒呑童子絵巻」の絵。岩絵の具をふんだんに使った鮮やかな色彩が目をひきます。

鑑賞後の授業では、学生それぞれが、展示品に関して調べた内容を発表しました。
パワーポイントの資料も工夫が凝らされ、学生の皆さんそれぞれの熱い思いが伝わる発表となっていましたよ。

次回は、上野の東京国立博物館で行なわれた、学外授業の様子をお伝えします。
どうぞお楽しみに。

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