教育学部・児童学科 │ 聖徳大学

松村先生の「絵本」の授業 絵本は教材?それとも文化?

19.09.24

皆さん、こんにちは!
児童文化コースには、「絵本」という授業が1年次にあります。
絵本は幼児教育や小学校など教育現場でも活用されていますが、「児童文化」として絵本を学ぶということはどういうことなのでしょうか。
今回は、「絵本」の授業を担当されている松村裕子先生にお話を伺いました。

 

Q.「絵本」の授業では、どのようなことを学べるのですか?

A.「児童文化」の立場では、絵本を、絵と文章から成る総合芸術と捉えています。
読み聞かせの練習をするだけではなく、実際に絵本を作っている方のお話を聞いたり、オリジナル絵本を作成したり、原画展に行ったりしながら、個々の絵本を評価できる力を養います。

 

Q.実際に絵本を作っている方とは、どのような方ですか?

A.今年度は、絵本の翻訳家、月刊かがく絵本の編集長、絵本作家の研究者、作家の方に来ていただきました。
お話しいただいたテーマはバラバラでしたが、どの方からも「本当のことを子どもに伝えるために」という言葉が出てきました。
学生は、自分たちが読んできた絵本がどれほど真剣につくられたものだったかを知り、「自分も本当のことを伝えられる先生になりたい」と感じたようです。

 

Q.どうして原画展へ行くのですか?(「不思議の国のアリス展」から)

A.原画の迫力を知って欲しいのはもちろんですが、授業が終わった後も学び続けられる方法を身につけて欲しいと考えています。
卒業生のなかには、課題で原画展に行ったのがきっけかで、卒業後もクラスの仲間と休日に原画展に出かけている人もいるんですよ。

 

Q.教育で必要とされる力とは違うのでしょうか?

A.絵本から子どもの世界が大きくひろがることを期待している点は同じです。
ただ、大人も等しく絵本から学ぶことができると考えている点が少し違っているかもしれません。
長く読み継がれている絵本には、いきいきとした子どもの姿が描かれています。
学生のうちにたくさん絵本や児童文学に触れておくと、幼児理解が深まると思いますよ。

 

授業の最終回を覗いてみると、学生が絵本をもって走り回っています。

Q.松村先生、これは何をしているのですか?

A.絵本を通した交流ゲームをしています。

 

A.絵本の細かいところに注目したり、絵本を通して自己表現したりすることができるゲームなんですよ。
絵本は物語を楽しむのが一番ですが、身近に絵本のある環境づくりも同じように大切にしています。

 

Q.なるほど。児童文化コースでは、絵本の多様な楽しみ方を具体的に学べるのですね。
最後ですが、「児童文化」とはなんでしょう?

A.子どものために大人が作り出した文化(絵本、アニメなど)も、子どもが生み出した文化(替え歌、遊びなど)も「児童文化」です。
とても広い概念で時代とともに指し示す内容も変化してきました。
ただ学生のレポートの一つに、「児童文化とは、あたたかいものだ」と書かれているものがありました。
子ども同士の交流のきっかけ、大人と子どもの信頼関係を築くもの、そして個々の孤独な時間を満たしてくれるものが「児童文化」だといえるかもしれません。

松村先生、ありがとうございました!

 

◆親子で楽しむ「不思議の国のアリス展」おはなし会のお知らせ
聖徳大学児童学部 児童文化コース (指導 松村裕子准教授)
日時:9月29日 (日)・10月27日 (日) 各日午前11時から (約30分)
場所:そごう美術館「不思議のアリス展」展示室内
定員:各日親子20組 (当日午前10時から美術館受付にて参加整理券を配布・先着順)
対象:小学生以下のお子さまと保護者
参加費:無料 (保護者の方は別途展覧会入館料が必要です)

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(児童学部)

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