【コラム/IT】SICPを読む(8) 名前と環境
20.07.16
一般に, 計算オブジェクトがとても複雑な構造を持ち, それを記憶しなければならないとか, 使う度に細部まで繰り返さなければならないとしたら, 極めて不便である.
「顔じゅう、毛深くて、ひげが生えてて、みじかい尻尾、ときどきお腹をみせて、ゴロゴロいう、あの小さい仔猫、今日はどうしてた?」
「顔じゅう、毛深くて、ひげが生えてて、みじかい尻尾、ときどきお腹をみせて、ゴロゴロいう、あの小さい仔猫、雨ふりだったので一日中寝てたよ.」
「顔じゅう、毛深くて、ひげが生えてて、みじかい尻尾、ときどきお腹をみせて、ゴロゴロいう、あの小さい仔猫、のために鈴の付いたおもちゃ買ってきたよ.」
「顔じゅう、毛深くて、ひげが生えてて、みじかい尻尾、ときどきお腹をみせて、ゴロゴロいう、あの小さい仔猫、そういうの大好きだから夜中に遊びだすとたいへんだよ.」
なまえを付けてあげましょう.たとえば、「にけ」とか「とら」とか.
値と記号を対応づけ, 後にそれが取り出せるためには, 解釈系は名前とオブジェクトの対を見失わないための, 何か記憶を保持していることに他ならないことは明らかである. この記憶を 環境(environment)(より正確には, 後になって計算は多くの異る環境に関るということが分る故に大域環境(global environment))という.
せっかく名前をつけても、なんのことかが、はなし手ときき手で共有されてないと、やっぱり通じませんよね.「にけ」という名前が何のことか通じているということは、文脈とか状況が共有されているといことです.つまりこれが環境(取り巻く状況)ということですね.こんな風にプログラミング言語も、私たちが日頃つかっている言語(日本語)も、言葉としてもつべき名前による抽象という機能をもっています.(だから、プログラミングというのは、歌や話をつくることと同じ、言葉を操ることなのです)
※ IT領域担当 山下伸夫先生の「SICPを読む」シリーズ
SICPを読む(1):<a href="http://” target=”_blank”>書名「計算機プログラムの構造と解釈」
SICPを読む(2):魔法使いとその弟子
SICPを読む(3):「第1章 手続による抽象」冒頭部分
SICPを読む(4):Lispによるプログラム
SICPを読む(5):プログラムの要素(1)
SICPを読む(6):プログラムの要素(2)
SICPを読む(7) :式と解釈系
SICPを読む(8) :名前と環境
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