音楽学部 │ 聖徳大学

「第九の夕べ」熱い思いを込めた見事な演奏を披露

22.12.21

12月13日(火)、シリーズコンサート第38回 聖徳学園「第九の夕べ」が川並香順記念講堂で開催されました。「第九」とは、ベートーヴェン作曲 交響曲第9番 ニ短調 作品125のこと。第4楽章でオーケストラに合唱と4人の独唱が加わります。

聖徳学園の伝統となった「第九の夕べ」ですが、昨年はオンライン配信と一部公開という形をとりました。その際、創意工夫を凝らし、合唱を1階の客席に配置するという思い切った策で公演を成功させました。今年も同様の形を取ることに…。

第九合唱は、音楽学部の1年の必修科目です。春日保人先生の指導の下、入学直後からこの本番の日まで学んできました。昨年は感染拡大防止のため合唱の人数を絞りましたが、今年は1年生のみならず、2・3・4年生の希望者、附属2校の高校生、さらに教員や卒業生も加わり、より強力な合唱団となりました。男声パートは日本声楽家協会のプロ歌手の皆さんです。

指揮は山本真先生。ソリストは柏原奈穂先生(ソプラノ)、磯地美樹先生(アルト)、土﨑譲先生(テノール)、甲斐栄次郎先生(バス)という日本を代表する音楽家たち、しかも皆さん音楽学部の教員です。共演したオーケストラは、日本を代表する東京交響楽団という豪華版。

学生たちは3限まで授業を受けた後、大教室に集まって入念な発声練習と最終確認を行いました。

春日保人先生から「本番は生き物。必ずしも練習の時と同じではなく、緊張するでしょうが、それも楽しみましょう。楽しんでやるからこそ良い音楽が生まれるのです!」と激励のお言葉をいただき、いざ舞台へ!

合唱団は1階前方の客席に座り、第1楽章から第3楽章までじっくりと鑑賞。学生たちは、山本真先生の淡々とした指揮に応えて湧き出てくる、オーケストラの美しい音楽に魅了されているようでした。その姿は全員真剣そのもの、第4楽章に至るプロセスを、このスタイルだからこそ、じっくり体感することができたのではないでしょうか。

*以下の舞台演奏写真 撮影:佐久間 篤
*東京交響楽団に写真公開の許諾をいただいてあります。

そして、いよいよ4楽章。バリトンの起立と同時に合唱が一斉に立ち上がり、後ろを向きます。
「おお友よ、その調べではない。もっと快い、喜びに満ちた調べに、声を合わせよう。」

バリトンの勇壮なソロの朗唱のあと、合唱が歌い出します。1階の客席後方では春日先生が副指揮者として構え、舞台上の指揮者山本真先生の意図を瞬時に阿吽の呼吸で読み取ります。合唱団はそれを見て歌います。

バリトンのソロから、合唱とソリストのアンサンブルに引き継がれていきます。そこには今まで聞いたことのないような、柔らかな、美しい響きがホールに満ち溢れていました。

合唱は、どのパートのメロデイーラインもはっきり聞こえてきますが、全パートが重なることでさらに美しく響き、オーケストラの美しい音色と溶け合い空間に広がっていきます。

そして、最後の音が余韻とともに響き、演奏会は大成功! 音が鳴りやんでもホールいっぱいに広がった響きの余韻と興奮は収まりません。

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「オーケストラ、ソリスト、私たちの合唱が一体となった音に、とても感動しました。」(2年アルト)

「オーケストラと歌が合わさった時、ハーモニーが綺麗でした。」(2年アルト)

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公演後の合唱のミーティングの折、音楽学科長の島崎智子先生が、「今回の合唱は、エレガント、優美! 決して声が競争しないで溶け合い、美しいハーモニーを作り出していました。」と講評してくださいました。

また、4月からピアノ伴奏者として指導してくださった辻田祐希先生や、光栄VERITAS高校から合唱に参加された音楽の先生からも、熱く、感動に満ちた講評をいただきました。

学生の皆さんからも感動の声が…。

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「生のオーケストラに合わせて歌うのは、人生の中でなかなか体験出来ないので、貴重な体験になりました。」(3年ソプラノ)

「昨年度に引き続き、出演させて頂いたことで、この1年間での成長を感じることができました。プロの方々と創りあげる第九は、とても刺激的でした。その一員として関わることをができたことを誇りに思います。この貴重な経験を今後に生かしていきたいです。」(2年ソプラノ)

「1年振りの第九の合唱で歌えるかどうか不安でしたが、とても楽しく参加できました。素晴らしい演奏会に2年連続出演することができて嬉しかったです。来年も機会があれば参加したいと思います。」(2年ソプラノ)

「第九の練習は4月の頃から皆とやってきて、本番では自信を持って楽しんで歌えたので、良い経験になりました。またソロの先生方やオーケストラの皆さんの近くで歌うことができ、迫力がすごく、感動しました。」(1年アルト)

「入学してから、ずっと授業で「第九」をやってきて、慣れないドイツ語、長い曲に、皆苦戦しました。でも、本番では男声パートや高校生の方々と一緒に、みんなで1つの曲を作り上げることができ、ここまでやってきて良かったなと達成感と感動がありました。とても楽しかったです。そして、ここまで指導してくださった先生方にも感謝の気持ちでいっぱいです。」(1年ソプラノ)

「コロナ禍で2年間出演できなかったので、大学生活最後に舞台に載ることができ、とても嬉しかったです。オーケストラの音が後ろから聞こえることや、隣との間隔の広さに最初は戸惑いもありましたが、本番は楽しく歌うことができました。」(4年ソプラノ)

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それぞれの合唱団員が精一杯練習して臨んだ本番!超一流のオーケストラ、ふだんは身近な存在でありながらプロとして活躍するソリストの先生方と共に創り上げた「第九」を、学生たちは一生忘れることが出来ないでしょう。

ミーティングの最後に、春日先生はこう締めくくられました。
「今日の素晴らしい演奏を、一生宝として、また、コミュニケーションツールとして生かしてほしいと思います。」

「時の流れが厳しく切り離したものを再び結びなおし、全て人々は兄弟となる」(シラーの歌詞より)

第九は今この時代に求められる作品に違いありません。聖徳のこの恵まれた環境で、皆が力を合わせ心を一つにして実現した素晴らしい演奏会だったのではないでしょうか。

レポート:木村満壽美(声楽)

【関連ブログ】
「第九」リハーサル~いよいよ本番へ!~(2022年12月12日)
第九」本番間近!~“マエストロ稽古”が行われました~(2022年12月5日)

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