教育学部・教育学科 │ 聖徳大学

イんくルアート・Mini Fes in 聖徳 Vol.1

23.05.30

みなさん、こんにちは!今回は特別支援教育に関連するイベントのご報告です!

昨年度の厳しい寒さが残るとある日、ワゴン車が続々と聖徳大学の門を通って、大学へ到着。

澄み切った青空の日に、イんくルアート・Minifesが実施されました。

イんくルアートって何?

実はインクルーシブ・アートということで、障害のある人もない人も共にアート(芸術)を楽しもう。

作品は、一人一人の思いを反映して、表現活動を楽しもうという、聖徳大学で初めて実施する企画です。

この企画について、千葉県立松戸特別支援学校の原口校長先生に相談したところ、是非ということになり、企画を実行に移す準備を進めてきました。11月7日(月)の5限からスタートです。教育学部の北畑ゼミと堀子ゼミ、特別支援教育コースの2年生により、準備が進められました。

まず、何を一緒に取り組もうかを打合せ。5つの企画に絞って、屋台方式で、自分のやりたい活動にトライできるようにしました。作品づくりの試作を行ったり、会場としての図工室に車椅子を用意して、実際の動線を確認するなど、 準備に余念がありません。

実行委員長等の役割を設けて、責任感を持った主体的に取組む様子が随所に見られました。前日準備を含めて計5回の準備で、当日を迎えました。

当日は、7組の子ども達と保護者やヘルパーさんが参加しました。校長先生もお忙しい中、学内で車の誘導から始まり最後まで参加してくださいました。

当日の様子です。学生たちは、生徒さん一人ひとりの目線に立って、様々な方法でコミュニケーションをとりながら、共にアート活動を楽しんでいました。

手を自由に動かせない子どもであっても、その子に合った支援や環境の工夫をすることで、活動に参加できるようになります。色々な状況を想定して事前準備をしつつ、当日は臨機応変に、即興で補助具を作ったり、保護者の方にご協力いただいたりして活動しました。

生徒さん、学生、そして保護者の方と共同で、さまざまな色鮮やかな作品を作りあげました。

イんくルアートの活動を通じて、どのようなことを感じ、考えたのでしょうか。学生のコメントの一部をご紹介します。

★(Tさん)生徒さんは、一人ひとり、自分が作りたいもの、好きな色、形があり、それらを私達が決めて活動するのではなく、生徒さん自身で選んで、活動に主体的に参加してもらう事が大切であると感じた。生徒さんは手を出して選んだり、言葉で上手く伝えることができない場合があるため、私たち学生が色をいくつか提示したり、触ってもらったりして、反応を見ることで、好みのものを選んでもらった。子どもたちは目の動きや、声の出し方、手の動き、頭の動きなどで私達に自分の思いを伝えており、それを汲み取る事が大切であると感じた。

★(Wさん)重い障害があっても決して意思がないわけではない、むしろ私たちより感じ方は豊かでありしっかりとこだわりを持っていると感じた。それと同時に障害の有無に関わらず、お互いの気持ちを完璧に理解し合うことは難しいと感じた。でも感じ方が違うからこそ触れ合うことが楽しいのである。だからこそ私自身が活動を全力で楽しむことにした。その気持ちが生徒さんに届いていたらいいと思う。 そして保護者の方とも関われたことも学びになった。保護者の方は「大学生と触れ合う機会どころかこういうイベントが少ないから、学校以外の人と関われたことが新鮮で刺激になったと思う」と言ってくださった。障害の重い子たちにとっても参加しやすい、こうした小規模で濃密なイベントの機会を作っていく必要性を感じた。

★(Kさん)車椅子は一人ひとり形や大きさが異なっていた。生徒さんによっては医療機器が積まれていたり、生徒さんの身体にフィットするようなクッションやベルト、固定器具などが見られた。一人一人の身体の特徴に合わせたオリジナルの車椅子があることを学んだ。 このインクル・アートの活動はとても楽しかった。 そしてなによりも実際に肢体不自由の生徒と関わることができたのは私にとって貴重な経験となった。普段の講義では学ぶことが出来ない実践的で深い学びができたため、今後に活かしていきたい。

松戸特別支援学校関係者の皆様におかれましては、寒い中、大学まで来ていただき、ありがとうございました。

反省会では、用意する活動内容や学生の動き方等について意見が出て、今後に活かすことを確認しました。

2023年度も学生主体で企画し、いっそう充実した活動を目指していきたいと思います!

(文責:北畑彩子、堀子榮)

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