教育学部・教育学科 │ 聖徳大学

視覚以外の感覚を研ぎ澄ます!ゴールボールの競技体験

21.08.31

みなさん、こんにちは!

8月24日にパラリンピック東京2020が開幕し、障害者スポーツにかつてないほど注目が集まっています!

聖徳大学のスポーツ健康コース(2022年度入学生より、スポーツ教育コース)には、障害者スポーツの理解を深め、指導者としての資質を身につける「アダプテッドスポーツ論」という授業があります。

以前、視覚障害者陸上の体験車椅子スポーツ体験についてご紹介しましたが、今回は、視覚障害者の球技体験として、「ゴールボール」と「サウンドテーブルテニス(視覚障害者卓球)」の体験の様子をお伝えします!

 

ゴールボールとは、鈴の入ったボールを互いに投げ合い、得点を競うチームスポーツです。

まず、コートは、足裏の触覚でもラインが分かるように、ライン上に紐を置き、その上を養生テープなどで固定していきます。(今回は本学の体育館の床の状態を鑑みて、このような準備をせずに行いました。しかし可能であれば、そのような環境設定ができるとよいと思います。)

コート上の選手は、3人ずつで、選手は障害の程度に関わらず、アイマスクを装着し、全盲状態でプレーします。

本来は、バスケットボール大の専用のボールを使いますが、今回は、鈴入りのサッカーボールを代用しました。

 

この競技のポイントは、音を正確に捉えること。

相手選手の足跡を聞いて、ボールの来る位置を判断したり、声をかけあいながら、ディフェンスをします。

フェイントをして、相手選手をまどわせることもします。

 

ということで、作戦が大事になってきます。写真は作戦会議をしている様子です。

重心を低くし、できるだけ広い範囲の守備ができるように姿勢を工夫しよう、互いにフォローし合えるようポジションを考えよう、足音を鳴らそうなどの意見が出ていました。

しかし実際にやってみると、思いのほか難しい!ボールの左右の方向と、前後の位置を正確に捉えなければ、ディフェンス(ボールのキャッチ)はできません。

足跡で惑わされると、ボールの位置は、さらに分かりづらくなります。

学生からの発案で、初体験の今回は、騙し合いはせずに静寂のなか、ボールをキャッチすることを目指してやってみようということになりました。

成功した様子を動画で様子をご覧ください!

 

視覚以外の感覚器官をすべて研ぎ澄ます、ゴールボール。

学生たちもその競技の魅力を感じ取ったようでした。

 

そして、もう一つ盛り上がったのが、視覚障害者が楽しめるようアレンジされた卓球です。

サウンドテーブルテニスと呼ばれ、台の上で球を転がして試合をします。(専用の卓球台は球が横に落ちないように縁がついていますが、今回は通常の卓球台で行いました)

ラケットには、ラバーがついておらず、板がむき出しです。これは、球が当たった時に、音が鳴るようにしているからなんですね。

そして、球の中には、金属片が入っています。台の上を転がると、シャラシャラと音が鳴ります。

 

アイマスクを装着して、これに臨みます。しかし、ゴールボールと同様に、こちらもそう簡単ではありません。

小さな球の位置をはっきりと認識し、ラケットに当てるのは、至難の業です。

そうしたなかでも、時折ナイスプレーがあり、歓声がわきました!

その様子を動画でご覧ください。

 

普段の生活やスポーツのなかで、自分たちがいかに視覚に頼っているかを痛感した授業となりました。

一方でそれを克服し、良いプレーに繋げられたときの達成感はひとしおのようでした。学生たちの楽しかった、面白かった、またやってみたい、という感想がたくさん出ました。障害者スポーツは、障害のある方々だけのものではなく、だれもがともに楽しめるスポーツでもあるのです。

 

最後に担当の太田裕子先生より、視覚障害者の球技にはこの他に、野球やサッカーなど様々なものがあるため、関心を向けていって欲しい旨、お話がありました。

このパラリンピック期間中、学生たちは障害のある選手の皆さんの活躍に注目し、その凄さを改めて認識していることでしょう。

そして、人一倍、競技の観戦を楽しんでいるのではないでしょうか。

こうした感性が、指導者の資質として重要になります。

みなさんも一緒に様々な競技を体感し、世界を広げてみませんか。

 

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