【コラム/IT】SICPを読む(6) プログラムの要素(2)
20.04.03
SICPの1.1節の冒頭部分はプログラミングの本質について大事なことが示唆されています.初めて読むときには,すっと読み飛ばしてしまっても,後から必ずここへ戻って来ることになります.今は,大事なことが書いてあるということだけ覚えておけばいいでしょう.
プログラムする時,二つの要素: 手続とデータを扱う.(それらが実はそれ程違わないことはやがて分る.)早くいえば,データは処理したい「もの」であり,手続はデータの処理方法の記述である.強力なプログラム言語は基本的データと基本的手続きが記述でき,手続とデータを組み合せたり抽象化する手段を持たねばならない.
本章では手続きを構築する規則に注目するため,単純な数値データだけを扱う註.後の章で同じ規則が合成データを扱う手続きを構築するのにも使えることが分る.
実は,「註」にもさりげなく大事なことが書かれています.これも今は気にする必要はありません.後で何を言っていたのかが分るようになります.
註: 数を「単純なデータ」というのはごまかしだ.事実,数の扱いはプログラム言語で一番怪しげ,かつ訳の分らないものである.(以下略)
※ IT領域担当 山下伸夫先生の「SICPを読む」シリーズ
SICPを読む(1):<a href="http://” target=”_blank”>書名「計算機プログラムの構造と解釈」
SICPを読む(2):魔法使いとその弟子
SICPを読む(3):「第1章 手続による抽象」冒頭部分
SICPを読む(4):Lispによるプログラム
SICPを読む(5):プログラムの要素(1)
SICPを読む(6):プログラムの要素(2)
SICPを読む(7) :式と解釈系
SICPを読む(8) :名前と環境