【コラム/IT】SICPを読む(3):「第1章 手続による抽象」冒頭部分
19.12.27
以下はこの教科書の最初の部分です.何を学ぶための本であるかがちゃんと宣言されています.
計算プロセス(computational process)を勉強していこうと思う.計算プロセスは計算機の中に住む抽象的な存在である.プロセスは進行しながらもう一つの抽象的な存在,データ(data)を操作する.プロセスの進行は規則のパターン,プログラム(program)の指示に従う.われわれはプロセスに指示しようとしてプログラムを作る.いわばわれわれの呪文で計算機の霊に魔法をかけるのだ.
「手続き」とは何かは,この章で徐々に解き明かされます.また,「データ」とは何かは,次の第2章で解き明かされます.ともかく,プログラミングを学ぶこととはどういうことか.魔法を学ぶことと同じだというのです.現代の科学,工学としてプログラミングを扱う教科書だというのに,学ぶのは魔法だといっています.面白そうですね.
(総合文化学科オリジナルサイトより修正転載)
※ IT領域担当 山下伸夫先生の「SICPを読む」シリーズ
SICPを読む(1):書名「計算機プログラムの構造と解釈」
SICPを読む(2):魔法使いとその弟子
SICPを読む(3):「第1章 手続による抽象」冒頭部分
SICPを読む(4):Lispによるプログラム
SICPを読む(5):プログラムの要素(1)
SICPを読む(6):プログラムの要素(2)
SICPを読む(7) :式と解釈系
SICPを読む(8) :名前と環境