【授業紹介】音楽ワークショップ(オペラ) ~アプローチは様々、どんどんチャレンジしてみよう~
22.01.12
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みなさん、こんにちは。
これまで「音楽ワークショップ(オペラ)」の授業紹介では、演奏についてレポートしてきました。
オペラのワークショップですから “歌うのが当然” と思いがち。いやいや、実はそうではありません!
今回はオペラや演奏会の制作や広報に興味を持って、この授業を履修した人をご紹介しましょう。オペラのワークショップには、こんな参加方法、アプローチの仕方があるのです。
4年生のHさんは教員を目指してきました。4月からは、見事に夢をかなえて教壇に立つことになっています。
好奇心旺盛なHさんに、履修した理由や授業の様子などを伺ってみました。
——この科目を履修した理由を教えてください。
もともと歌には興味があるのですが、同時にオペラ公演や演奏会は、どんなスタッフがどのように進めて開催されるのか、その過程にも大いに関心がありました。この科目では、現役で活躍されている制作の先生方が直接教えてくださるので、履修しました。
——これまでの音楽経験は?
ピアノ演奏、ヴァイオリン演奏、合唱、ボランティアでの演奏経験などがあります。
—— この授業を通して、制作や広報についてどのようなことを学びましたか?
舞台裏スタッフの種類・仕事という基本的なことから、舞台図面の見方や舞台装置についての知識、公演の開催までにどのようなことが必要なのかを、様々な角度から学びました。
中村光宏先生(制作)の指導を受けるHさん
また、実践として、チラシやチケットの作成、簡単な舞台装置の製作もしました。
こちらは「香盤表」*というものです。
*香盤表(こうばんひょう):ドラマの進行にそって登場人物を整理したもの
——実際にやってみて、いかがでしたか?
舞台裏スタッフとしてまさに活躍中の先生方の授業は、具体的でわかりやすく、意欲的に学ぶことができました。日本だけでなく海外の舞台裏についてのお話を聞くことができ、とても楽しかったです。
実践では、自分で公演を一つ設定し、チラシやチケットの作成や著作権申請(仮)などを行いました。
これは、客員教授の甲斐栄次郎先生にご協力いただいて作成した、先生のコンサートのチラシです。
また、簡単な舞台装置として「箱馬*」を作り、舞台裏スタッフについての学びを深めることができました。
*箱馬(はこうま):舞台上で使用する定型の木箱
—— おぉ、普通は知らないような舞台裏の仕事を体験しているのですね。ところでHさんは、オペラの歌唱にもチャレンジしましたね。きっかけは?
先生に「歌ってみては?」と誘っていただいたのです。元々、歌唱はとても好きだったので、とても嬉しかったです。
《フィガロの結婚》よりケルビーノ(左)
—— これまでどのようなものを歌いましたか?
モーツァルトのオペラが中心です。《フィガロの結婚》からNo.5(喧嘩の二重唱)、No.1、No.29、《皇帝ティトの慈悲》からNo.7、《ドン・ジョヴァンニ》からNo.7などを勉強しました。
——なかなか本格的ですね。難しいこともあれば、楽しいこともあったのでは?
はい、まず人前で歌うことが難しかったです。 それまで、人前で一人で歌うことがあまりなかったため、とても恥ずかしく緊張しました。回数を重ね慣れていくことで、緊張はしますが、人前でも歌えるようになりました。
《フィガロの結婚》よりスザンナ
その次の段階では、演技をしながら歌うことが難しかったです。安定した姿勢で歌えていても、演技、動きが入ってくると、それまでのように歌えなくなってしまいました。毎週の授業や個人練習で、動きながらでもしっかりと歌えるよう、先生方から指導をいただきながら努力しました。今では、演技をつけても歌えるようになってきました。
楽しかったことは、毎週の授業です。毎週、色々な先生方に見ていただくことで、様々な視点から指導・アドバイスをいただき、たくさんの気づき、学びがありました。自分なりに曲を解釈し研究し、歌唱の技術を高める授業の時間は、とても楽しくやりがいのあるものでした。
—— Hさんは今年の4月から小学校の教員になることが決まっているのですよね。おめでとうございます! この授業での経験は新しい環境で活かせそうですか?
はい、様々な場で活かせそうです。オペラという形そのままを生かせる場は少ないですが、歌唱の技術や、物事を組み立てる力など、授業で学んだ力、要素を様々な場面で散りばめ活かしていくつもりです。
私にとって、オペラという世界に踏み入ることは大きなチャレンジでした(特に歌唱)。この授業で得た、新たなことへチャレンジする精神を心に、新しい環境へ踏み出していきます。
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Hさんは、自分の好きな音楽を出発点にして、興味のある分野にどんどんチャレンジして、大きな収穫があったようですね。もうすぐ卒業を迎えるHさんですが、卒業後も自分の経験した音楽の喜びを、小学生を始めとして、多くの人に伝えてくれることと思います。
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