世界の児童文学⑤ ボストン公立図書館とアメリカ児童文学
25.08.20

皆さん、こんにちは!
今回はボストン周辺の児童図書関連スポットをご紹介します。

最初は、1848年設立のボストン公共図書館。
アメリカでもっとも古い公共図書館のひとつに数えられている図書館ですが
設立当時は21才以下の住民への貸出しはおこなわれていませんでした。
1887年のポータゲット公共図書館長の報告に、多くの図書館で「子どもと犬は入館禁止」とあるように、当初子どもはサービスの対象とみなされていなかったのです。

1890年代、ようやく児童サービスの必要性が認識されるようになります。
初期に児童図書室を設置した公共図書館のひとつが、ボストン公共図書館でした。
現在の児童図書室内にはワークショップをおこなう部屋や、推薦図書の展示があり
この日も利用者でにぎわっていました。

こちらはボストン公立公園。
マックロスキーの絵本『かもさんおとおり』(1941)の舞台です。
公園内には絵本に登場するカモのオブジェがあり、子どもたちになでられていました。

カモがおりたった川辺、青信号を渡った交差点も近くに実在しています。


この絵本が事実に基づいていること、ボストンの人々が絵本を誇りに思っていることは
絵本そのままの景色が残っていることからもうかがい知れます。

さて、ボストン近郊アマーストにはエリック・カールの絵本美術館があります。
日本好きだったカールさんは、日本の絵本美術館を参考にこの美術館を設立しました。

こちらは、オーチャード・ハウス。
オルコット一家が暮らした家であり、『若草物語 Little Women』の舞台でもあります。
当時の女性たちは、良妻賢母として生きることが社会的に求められていました。
作家をめざすルイザや画才があった妹のメイたちには生きにくい時代だったかもしれません。そんな娘たちを父親は<Little Women>と呼び、社会のなかで臆せず自分らしく生きるように励ましたのです。
児童文学史を追っていくと、子どもや女性の権利が一般に認められるまで、ながい時間がかかったことがわかります。
夏休み。児童文学を読みながら、自分らしく生きるとはどういうことか考えてみませんか?
(児童学科 准教授 松村裕子)
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