短期大学部・総合文化学科 │ 聖徳大学

【授業紹介】ファストファッションの代償

22.01.27


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B日程は2月22日(月)です。願書受付は2月2日(水)~2月16日(水)まで。
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 ファストファッションは、安くて早い「ファストフード」になぞらえた造語で、流行を採り入れつつ低価格に抑えた衣料品を大量生産し、短いサイクルで販売するブランドやその業態を指します。日本のブランドとしては、ユニクロ、GU、しまむらなどが、海外ブランドではZARA(スペイン)、H&M(スウェーデン)、GAP(米国)などがあります。直営店で売る製造小売り(SPA)の販売形態をとることが多く、売り場は常に商品が更新されて新しさと安さをアピールしています。消費者としては安くておしゃれな服を安価に手に入ることができ、歓迎しています。
 総合文化学科で衣生活論や環境論の授業を担当している教員としては、ファストファッションの成功の裏側も知ってほしいと思うことがあります。
 ファストファッションの隆盛に伴い、衣服の生産量は増大し、ポリエステル繊維や綿繊維の増産が求められ、合成繊維ではリサイクルや海洋のマイクロプラスチック問題が意識され始めています。一方、綿繊維は栽培に大量の水が必要で地下水の枯渇、農薬・枯葉剤などの化学物質の大量使用に伴う環境汚染や健康被害が起きました。製品化の工程では染色などに用いられる化学物質の危険性や工場排水の汚染があります。そのほか、発展途上国の労働者の低賃金・長時間労働、強制労働、人権問題があります。
 消費者は価格が安いと必要以上の衣服を買い、安易に廃棄しやすくなります。先進国の消費者は発展途上国での衣服の生産実態を知る機会はなく、上に述べたようなサプライチェーンにおけるさまざまな問題を意識しません。
 このような状況の中で下の写真に示すバングラデシュのラナ・プラザ崩落事故が2013年に発生しました。ファッション産業の裏側を紹介する映画「THE TRUE COST」やYouTube動画により、発展途上国においては7500万人が低賃金で過酷な労働条件で服の製造に従事しており、労働問題、環境問題、人権問題が紹介されました。その結果、エシカル(倫理的)やサステナブル(持続可能な)の意識が向上し、企業の社会的責任も高まり始めました。
 発展途上の生産国ではファストファッション製品を安価に先進国に供給するためにさまざまな代償が求められています。このような内容を総合文化学科の衣生活論や環境論の授業でとりあげます。


2013年4月 バングラデシュ ラナ・プラザ崩落事故
 4階建ての商業ビル「ラナ・プラザ」は8階建てに増築され、崩落事故の前日には亀裂が拡大し危険性が指摘されたが、生産が優先され、若い女性たちが犠牲となりました。事故当日は停電が発生し、設置されていた発電機が運転され、発電機と数千台のミシンの振動が共振しビルが倒壊しました。そのビルには27のファッションブランドの縫製工場が入っており、死者1,127人、行方不明者約500人、負傷者2,500人以上が出て、この事故はファッション史上最悪の事故と呼ばれています。

チバテレの情報番組「モーニングこんぱす」内で、総合文化学科が紹介されました。
”楽しい実習や真剣な授業”の様子がよくわかります!
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