【授業紹介】三纈(さんけち)ーファッション・造形デザインコースー
20.05.28
今回は染色についてお話します。
染色は一般に浸染と捺染に分けられます。
浸染は、糸や布を均一に染めることで、無地染めといわれています。
捺染は、被染物に絵柄等を描くことで、直接捺染法、抜染法、防染法に分けられます。
直接捺染法は、繊維に染料と薬剤を含む捺染糊を直接印捺し、適切な方法で固着させる方法です。
抜染法は、繊維をあらかじめ浸染しておき(無地染め)、適当な抜染剤を含む捺染糊を印捺して熱処理し、地染めの色を抜くと同時に模様を出す方法です。白色抜染は、捺染糊中に地染の染料を抜く力のある薬品を加えることにより、無地染め上に白い模様を出す方法です。着色抜染は、捺染糊中に追加染料と地染めの染料を抜く力はあるが、追加染料は抜染しない性質の薬品を加えることにより、無地染め上に有色の模様を施す方法です。
防染法は、防染剤を含む捺染糊で印捺後、浸染することにより、模様を得る方法です。防染糊の中に別途染料を含むか否かにより、白色防染と着色防染とに分けられます。
日本で古くから行われてきた染色技法に、蝋纈(ろうけち)、夾纈(きょうけち)、纐纈(こうけち)があり、これらを総称して三纈(さんけち)と呼びます。前述の防染法の一種ですが、正倉院宝物に見られることができます。
ろうけち【蝋纈】は、蝋を使用して防染する方法で、木版に蝋をつけ、それを布に押しつけることや、溶かした蝋を筆につけて模様を描いた後、染色します。蝋の部分以外に色がつきます。
きょうけち【夾纈】は、2枚の板で布 を固く挟み、折り目やたたまれた重なりに色がつかないことにより模様ができます。
こうけち【纐纈】は、布 をつまんでくくったり、縫って縮めたりして防染する方法です。夾纈より自由なデザインが可能で、桃山時代の辻が花や江戸時代の鹿の子絞り、疋田絞り、有松・鳴海絞りなどに繋がります。
本学科では春学期の「染色加工学実験」の授業で、三纈それぞれの染色を体験します。
約2時間30分の間に、デザインを考え、防染を行い、希望する色の染色浴作り染色します。
蝋落としや絞った糸を解くなど後処理をして、自分が描いたデザインを確認します。ろうけつ染めは自分が描いた絵柄はわかっていますが、絞り染めや板締め染めは、染色後に縛った糸を取るまでは、最終デザインがわかりません。
思い通りにできると歓声があがり、一方、このようなデザインでなかったなど、楽しい授業です。
今年度の学生のデザインを早く見たいですが、コロナウイルス感染症のため現在オンライン授業を実施しており、実験などについては通学開始後になります。
最後になりますが、これまで受講した学生のデザインの一部をご覧ください。
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