短期大学部・総合文化学科 │ 聖徳大学

学生の制作した絵本をご紹介します!

20.03.16

皆さま、こんにちは!
暖かな日差しを受けて、ソメイヨシノの開花が一気に進みそうですね?

今年の2月、3月はあまり出かける機会がなく、なんとなく物足りないというかたも多いのではないでしょうか。

本日は、今春卒業した図書館司書ブランチの学生が制作した絵本で、未紹介のものをご紹介しますね。

まずは、絵本の定番、昔話を絵本にした「鶴見川の河童」(Y・Sさん作)。昔話といっても、全国に知られている有名な昔話ではなく、自分が育った場所の昔話を調べて絵本化したものです。
昔、鶴見川に99匹の河童が住んでいて、なかでも河童大将の〝次郎河童″はいたずら好き。とうとう漁師の〝太郎兵衛″に鎌で痛めつけられます。それを聞いたおばあさんが可哀想に思い、鶴見川に河童の好物である胡瓜を流して供養したそうです。その後、河童は二度と現れなくなったとか。鶴見川への理解と愛着が深まる作品です。

次は、古典作品「お伽草子・たま藻のまへ」を絵本化した「玉藻の前」(M・Nさん作)。ストーリーが面白かったので絵本にしたいと思ったそうですが、時代考証が難しかったとのこと。


1155年頃、鳥羽院に〝玉藻の前″という美しい女性がお仕えしていました。鳥羽院は玉藻の前を女御のように寵愛しますが、しばらくして鳥羽院は重い病にかかります。実は、玉藻の前の正体は、下野国那須野に住む百歳の狐。美しい女性に化けて鳥羽院の命を縮め、国家を奪おうとしていたのです。正体を現した玉藻の前(狐)が武士に射殺されると、鳥羽院の病も治ったそうです〈ネタばれ?〉。

陰陽師も登場するし、玉藻の前に化けた狐は丈が7尋(約12・6メートル)で、尻尾が2本! 怪異の物語として、とても読み応えがあります。

昔話や古典だけではなく、現代の創作も絵本化することができますよ。


筒井康隆さんの作品を絵本化した「時の女神」(Y・Sさん作)。子どもの頃に一度見かけた「白いスーツ」姿の、髪の長い若い女性。思春期の〝彼″に、その女性が再び現れます。さらに約十年後、サラリーマンになった彼は、白いスーツの女性と再会しますが、その女性は変わらずに若く、二人は結婚します。白いスーツの女性は、過去にも未来にも、時を自由に行き来できる女性でした。二人の間には娘が生まれますが、女性は亡くなります。さらに約十年後、通勤途中の彼は、駅の人混みの中に、一瞬、亡くなった妻(白いスーツの女性)を見かけます。娘は亡くなった妻そっくりに育っていました…。

「時をかける少女」を彷彿させるような作品ですね。
〝これは〟という思い入れのあるお話をぜひ絵本にしてみてはいかがでしょうか。さらに嵩じると、自分の創作したお話で絵本を作りたくなるかも。そうなると、絵本作家の誕生です!

図書館司書・ITコースでは、絵本を制作する授業もあります。制作した絵本で、さらに紙芝居を作ったり、読み聞かせをしたり、いろんな楽しみ方を味わってみてくださいね。

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