【コラム/IT】SICPを読む(2):魔法使いとその弟子
19.11.15
上の絵はSICPの表紙にあるイラストです.左に立っているのが魔法使い,右にはその弟子でしょう.魔法使いは「λ」という精霊を手にした道具で操ろうとしています.その道具にはよく見ると「太極」の模様が描かれていて,「eval」と「apply」が二つ巴になっています.
「λ」は漢字の「入」ではないことに注意してくださいね.「λ」はギリシャ文字で「ラムダ」と読みます.これがプログラムの真髄です.「eval」は「エバル」「イーバル」と呼ばれる特別な関数で英語の evaluate(値valueを計算すること,評価)から来ています.「apply」は「アプライ」と呼ばれる特別な関数です。「作用させる,適用する」という意味の言葉 apply から来ています.
SICPは,「λ」「eval」「apply」について書かれた本といってもよいでしょう.
(総合文化学科オリジナルサイトより加筆転載)
※ IT領域担当 山下伸夫先生の「SICPを読む」シリーズ
SICPを読む(1):書名「計算機プログラムの構造と解釈」
SICPを読む(2):魔法使いとその弟子
SICPを読む(3):「第1章 手続による抽象」冒頭部分
SICPを読む(4):Lispによるプログラム
SICPを読む(5):プログラムの要素(1)
SICPを読む(6):プログラムの要素(2)
SICPを読む(7) :式と解釈系
SICPを読む(8) :名前と環境