【コラム/IT】SICPを読む(1):書名「計算機プログラムの構造と解釈」
19.10.18
『計算機プログラムの構造と解釈』 愛称SICPを拾い読みしましょう.難しそうなタイトルの本ですが,1年生向けの教科書です。プログラムの部分はもちろん、本文も味わい深い言葉に満ちています.プログラミングやコンピュータサイエンスの分野の「古典中の古典」です。プログラミングには縁がないと思っている向きにも気軽に楽しめます.
この教科書はもともと英語で書かれており,原書名は Structure and Interpretation of Computer Programs といいます.愛称 SICP はその原書名の頭文字です.
「計算機プログラム」は呪文であり,これはプログラミング言語と一般的に呼ばれている言葉で書かれます.このプログラムがどういうものであるかを「構造」と「解釈」という側面から考えるのだ,と書名で宣言されているわけです.ここで「構造」と言っているのはつまり,文法あるいは構文のことであり,「解釈」といっているのは,意味のことです.
日常の言葉,たとえば,日本語や英語を分析するとき,文法と意味という2つの側面から考えるのと似てますね.プログラミング言語は,「言葉」としては,日常の私たちが使う言語と共通の何かがあるのです.
(総合文化学科オリジナルサイトより加筆転載)
※ IT領域担当 山下伸夫先生の「SICPを読む」シリーズ
SICPを読む(1):書名「計算機プログラムの構造と解釈」
SICPを読む(2):魔法使いとその弟子
SICPを読む(3):「第1章 手続による抽象」冒頭部分
SICPを読む(4):Lispによるプログラム
SICPを読む(5):プログラムの要素(1)
SICPを読む(6):プログラムの要素(2)
SICPを読む(7) :式と解釈系
SICPを読む(8) :名前と環境