心理・福祉学部 社会福祉学科 │ 聖徳大学

学科長コラム⑥遍路の地での学び

23.12.01

学科長の山田でございます。
今回は参加してきた学会についてのご紹介をさせて頂きます。

「お遍路の里・四国から死に学び生を考える~看取りを文化に~」を大会テーマとして、第44回日本死の臨床研究会年次大会が2023年11月24・25日に愛媛県松山市で開催されました。初めて、すべての講演やセミナーが一般公開されました。看取りなどにかかわる専門職、医師や看護師、ケア関係者らが情報共有し交流する場で、二日間しっかりと耳を傾けてきました。現在「住み慣れた地域を終の住み処とする希望を叶えるには」という研究内容に取り組んでいることから、大会のテーマは大変貴重な機会となりました。

 四国での開催について大会趣旨のなかに次のように書かれていました。「四国の地には弘法大師空海が開いた八十八カ所を巡る遍路が有り、1200年に渡り多くの人々が自分の人生と向き合う中で弘法大師との動向の足跡をその道に残してきました。そんなお遍路さんには地元の皆さんのおもてなしの「お接待」という文化が育まれ、そして、長い歴史の中で遍路の道沿いに多くの無縁仏の碑が残され、死と向き合ってきた人達の人生の息遣いというようなものを感じさせます。生と死の共存の中から人の文化が育まれてきたことを四国という地には肌で感じさせる雰囲気があります。」

 基調講演者の山折哲雄氏によると、近畿に対して四国はあの世、瀬戸内海はあの世とこの世を隔てる三途の川ととらえられ、四国の遍路の地は神仏が共生している世界で、日本人の死生観が集約されていると指摘されていました。

 二日間、大変充実した内容でした。

※なお、愛媛の都市伝説「愛媛は水道からジュースが出る」に合わせた観光が大変面白く、コンビニをはじめとした多くの店舗に「ジュース蛇口」が置かれていました。学会の会場にも設置され、長い行列ができていました。もちろん、その行列に並んでジュースを楽しみました。ポンジュースでした(笑)


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