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心理・福祉学部 社会福祉学科 │ 聖徳大学

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学科長コラム⑯本のご紹介『毒蝮流!ことばで介護』 

24.11.12

みなさん、こんにちは。

学科長の山田でございます。 お元気でお過ごしでしょうか。
秋が深まってまいりました。文字通り「読書の秋」です。
ということで、今回は本のご紹介をさせていただきます。

 本学の客員教授である毒蝮三太夫先生の『毒蝮流!ことばで介護』(講談社+α新書 2014年)という本についてです。本書からの引用になりますが、

「日常生活のお世話をするような介護もとても大事ですが、同時に、お年寄りを言葉で元気づけ、明日への活力を与えてくれる『言葉による介護』も、これからどんどん大切になってくるのです」

という言葉がこの本の内容全般を表しています。言葉によるコミュニケーションの重要性について、一般的に数多く語られる昨今ですが、本書はその具体例が盛りだくさんです。さらに、その言葉の根底には「こころ」「まごころ」があっての言葉であり、コミュニケーションであることを本書は教えてくれています。「福祉マインド」につながってきます。



本を開いてページをめくると、まえがきの一行目は、「実はオレ、困っているんだ。」から始まっています。この一行目で、即、引き込まれました。はて?? いったいお困りになっていることとは何なのでしょうか。お読みいただけましたら幸いでございます。

 毒蝮先生が、聖徳大学で講義をご担当いただくようになってから、25年が経過いたしました。この本が出版されたのは10年前ですが、毒蝮先生と聖徳大学のご縁について詳しく紹介されています。第三章「大学教授として介護のこころを伝える」の章です。聖徳大学の前学長先生が毒蝮先生と同じ高校の先輩であったことを契機としています。改めて人との関係性である「ご縁」について、また、25年という歳月から、いかにそのご縁をつないでいくことの大切さについて考えさせられました。お忙しい中、長きにわたり、貴重なお時間を割いていただき、ご尽力賜っていることに対して、改めて感謝申し上げます。


 ご講義内容はリズム感のある「語り口調」で詳細に書かれていますので、その場で受講しているような臨場感あふれる内容になっています。どのページを開いてもその語り口調に引き込まれていきます。学生、教員にとっても授業の振り返りができる必読書ではないでしょうか。

内容紹介として目次を掲載しておきましょう。

第一章 お年寄りに「快適空間を」をプレゼントする

第二章 下町の長屋流コミュニケーション術

第三章 大学教授として介護の心を伝える

第四章 ジジイもチャーミングにならなきゃな

第五章 下町流「かまい合い介護」のすすめ

第六章 「元気の運び屋」を

ちょうど、11月10日(日)に大学の学園祭「聖徳祭」の目玉としての講演会「介護から快護へ」をご講演頂いたところです。その様子については学生によるブログが掲載されますので、どうぞ、お楽しみに。

なお、毒蝮先生はこれまでにたくさんの本を出版されています。
その一部をご紹介させていただきます。

  • 『人生八十、寝てみて七日。―ジジィ、ババァに学んで二十五年』(1994年、リヨン社)
  • 『元気で長生きするコツさせるコツ―お年寄りと上手に接する方法』(2003年、グラフ社)
  • 『人生ごっこを楽しみなヨ』(2017年。KADOKAWA)
  • 『たぬきババアとゴリおやじー 俺とおやじとおふくろの昭和物語』(2020年、Gakken)
  • 『70歳からの人生相談』(2023年、文芸春秋)

 『70歳からの人生相談』については、昨年の学科長コラムでご紹介させていただきました。

毒蝮先生、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。


GSA 2024 in Seattle!

24.11.19

ごきげんよう、社会福祉学科教員の須田です。

11月14日から16日にかけて、Seattle Convention Center(シアトル・コンベンションセンター)で開催された米国老年学会(GSA)の年次大会があり、出席しました。今年のGSAは、私にとって特別な大会となりました。最終日11月16日に行われたシンポジウム「Trends in Elder Abuse and Initiatives to Prevent Elder Abuse in Japan During the Past 20 Years」に登壇し、発表する機会を得たからです。

「Realities and Challenges of Elder Abuse Reports Made by the Police」というタイトルで、日本では高齢者虐待の通報が増加する一方、認定率は低く、特に家族内での虐待が多く、警察の関与が増加しているものの、法的定義の狭さが課題となっているという話をしました。

今回の参加は、一昨年インディアナポリスでの初参加に続き2回目。初めての発表は忘れられない経験でしたが、今回はさらに成長した研究内容を国際的な場で共有できる貴重な機会となりました。

GSA 2024のもう一つのハイライトは、さまざまな海外研究者との交流でした。老年学の分野を越えた刺激的な議論を交わし、視野が大きく広がりました。また、日本人や日系アメリカ人のグループとの交流も特に印象深く、文化的なつながりと知的なシナジーを感じる時間となりました。こうした対話を通じて、異なる背景を持つ人々との意見交換がいかに大きな価値を持つかを改めて実感しました。

今回の経験は、私にとって大きなエネルギーとなり、今後のプロジェクトへのインスピレーションも生まれました。GSA 2024は、プロフェッショナルとしても個人としても大きな一歩となる重要な機会でした。この経験を糧に、さらに新しい挑戦を続けていきます。

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