心理・福祉学部 社会福祉学科 │ 聖徳大学

研究紹介:養護教諭の研究とは?

24.03.04

社会福祉学科の湯原です。私は養護教諭として20年ほど学校に勤務していました。

養護教諭はほとんどの学校で一人配置であり、同僚に同じ専門性をもった教員はいません。また教育職ではあるものの、看護職でも心理職でもない養護教諭は、社会的には曖昧な存在かもしれません。

子供の成長発達を支援する教育的機能は、教室に行って保健の授業をしなくても、保健室での救急処置場面や健康相談場面で、おおいに発揮することができました。しかし一人職である養護教諭が、保健室で何をしているのか、どんな意図をもって子供に関わっているのか、その内実は非常に伝わりにくいものでした。養護教諭の行為の意図を可視化したい!養護教諭の思いや思考を明らかにしたい!それが現職で働いている時からの私の研究の根幹です。

これまで、「頻繁に保健室に来室する子供」や「保健室に休養中の子供」への養護教諭の対応の意図を明らかにする研究に取り組んできました。安心・安寧を保障しつつも、その子が積み残してきた課題をつかみ、解決に向けた方法を一緒に考え、自己洞察や自己決定を促し、困難を乗り越える経験を少しずつ積ませるというのが、共通した対応として読み取れました。その子の幸福や自己実現を願い、時に厳しく、自立心を育む教育的な対応を可視化することができました。

現在は、「救急処置場面における養護教諭の心理的ストレス」を可視化することを目的に研究を進めています。子供の心身の健康課題は複雑化多様化しており、養護教諭へのニーズはより幅広く、複雑かつ高度化しています。一人職であり、身近にアドバイスを得られる先輩がおらず、また採用直後から専門性の発揮を求められる養護教諭には、相当の心理的ストレスがかかっていることが想定されます。養護教諭の精神衛生を維持し、モチベーションを向上していけるように、養成教育を通して本研究の成果を生かしていけたらと考えています。

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