心理・福祉学部 社会福祉学科 │ 聖徳大学

【JUST IN】『福祉の役割と「感染症コロナ」』~ 考えましょう!!~

20.04.16

皆様こんにちは。
今回は社会福祉学科の北川慶子先生が皆さんと一緒にこの現状、局面を考えたいと先生のご専門の危機管理の視点から投稿してくださいました。

今、私たちができること。今後、人を助け、繋ぎ、育て、社会を支える専門職になる私たちが今考え行動することが自分を守り、周りの人を守り、社会を救う。ちょっとの時間おのおのの場所で、このひと時考えてみませんか?

<新型コロナウィルス感染を予防する備えの一つ>

新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、緊急事態宣言が 4 月 7 日、7 都府県に発出され一週間を過ぎました。 皆さんいかがお過ごしですか。
新入生の皆さんは、晴れの入学式が遅れたことに残念な思いをしつつ、在学生の皆さんは、新年度からの計画が実行ができず、ボラ ンティア活動もできず、実習は?就職活動は?ということなどを 気にかけながら、一方で新型コロナウィルスへの感染への不安も感じながら毎日を過ごしていらっしゃることでしょう。

私たちはこれまで感染症の恐ろしさを知らずにきました。ですから新型コロナウィルスが、このように世界中に感染が拡散(パンデ ミック)し、私たちの日常生活にこれほど影響するとは思わずに来 たのだと思います。今、私たちは各国の情報を捉えることができます。SARS や MARS が流行した国々では、対応が早かったということ もよく聞きます。また途上国では、医療体制が不備な国も多く、特に清潔な水での手洗いができない国では感染拡大の防止策として ロックダウンを行っている情報などもよく聞きます。

そこで、私たちは、社会福祉学を学び専門職を目指すものとして 知っておきたいことがあります。それは、最近よく聞くようになった「危機管理」という用語でコロナウィルスの対策を捉えることです。 危機管理は、英語ではクライシス・マネジメント(crisis management)リスク・マネジメント(risk management)に2区分しています。 クライシスマネジメントは、発生してしまった危機状況をどのよう に最小限にとどめ、次の危機が発生しないようにするかという管理をすることです。リスクマネジメントは、今後どのようなリスクに直面 することが予想され、それに対しそれを防ぐ手立て、発生しても最小の被害で済むように備えることです。 日本語ではどちらも危機管理という用語を用います。いま新型コロナウィルス対策として、私たちの危機を救う医療現場で、命を守る懸命な救命治療が行われていますが、このように危機が発生したことに 立ち向かい、それを克服し、二次的・三次的な危険な状態を発生させないようにすることはクライシスマネジメントです。

ではもう一つの危機管理であるリスクマネジメントはどのような意味でしょうか。今、私たちは、感染したかもしれない・感染するか もしれないという感染リスクがあります。それをどのようにすれば感 染しないで済むかというための管理です。例えば、不要不急の外出を 控える、もし外出しなければならないときはマスクを着用し、三密(密 閉・密集・密接)の中には出ていかないということを守り、感染しないように備える(感染リスクから身を守る)ことがそれにあたります。 意外に身近なところで危機管理を理解することができると思いませ んか。
社会保障は、国民みんなで、自分たちの生活を安定化させ、一生安心 して生活できる社会を築く基盤です。その中でも社会福祉は身近なところで、私たちの生活を支えています。大きな意味で社会保障 も社会福祉も危機管理です。

さあ、どちらがリスクマネジメントでどちらがクライシスマネジメントになるでしょうか。どちらが欠けても危機管理にはなりません。 2 年生以上の皆さんは分かっていらっしゃいますね。新入生の皆さ んは、こんな捉え方もできるのだということを学び、大きな社会へ目を向けていただきたいと思います。 現在の多くの方々による感染者に対する昼夜を分かたずの医学的取組の情報を知り、私たちがそれに貢献できるために自分の感染リスクを最小化する行動を心がけましょう。そして、大学が再開され、皆が元気で学べる日が早く来ることを祈りましょう。

【日韓中の防災,災害救護協会調印式】

 

北川慶子先生のプロフィール:社会福祉学・児童福祉学を担当しています。 研究分野はジェロントロジー(Gerontology)、社会福祉の立場から災害危機管理を研究しています。
佐賀大学名誉教授で工学系研究科の客員研究員でもあります。
中国、 韓国、モンゴル、ネパール、フィリピン、タイ、アメリカ、イギリス の研究者と共に危機管理の研究を続けています。それぞれの国々の大 学の客員教授でもあります。
現在は、コロナウィルス感染の状況が続く中で、昨年首都圏に甚大な被害をもたらした風水害がまた今年発生したらどのようにすべきか、コロナウィルス感染下で、巨大地震が発生したらどうするかとい う具体的な対策に取り組んでいます。(これはリスクマネジメントで すね)

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