スポーツ動作の類似性に着目した指導方法を体験しよう!
23.06.01
みなさん、こんにちは!今回は、5月21日に行われたオープンキャンパスの体験授業のご紹介です。この日は、「スポーツ動作の類似性に着目した指導方法を体験しよう」と題してスポーツ教育コースの百瀬定雄先生による体験授業が行われました。
教員や指導者達にとって子ども達の指導は,教科指導だけでは無く「子ども達の体力低下問題」への対応が常に問われています。子ども達の体力低下は1985年(昭和60年)の体力・運動能力テストの値をピークに徐々に下がり始めています。様々な体力向上の取り組みによって持ち直している体力もありますが「投げる力」に関しては低下が著しいのです。
子ども達に運動遊びやスポーツ動作の類似した動きを経験させることによって,投げる運動感覚を高めていく指導方法があります!
運動感覚を高める学びの一つとして「運動アナロゴン(類似性)のある動き」の経験を様々に行うと言うものです。投げる動作の運動アナロゴンでは何があるかを参加者で考え合いました。
スポーツの動きから連想する高校生も居ました!
しかし、スポーツの動き以外に,運動遊びや伝承遊びにもこの動きに類似性のあることを学びました。
「紙飛行機」「紙鉄砲」「めんこ遊び」「かさぶくろ投げ」「スカーフ遊び」「新聞紙フリスビー」等々です。
今回は「紙飛行機」や「紙鉄砲」の二つを作りながら「投げる動作」の感覚を経験することができました。なお,これらで遊ぶ時に指導者が助言する内容も大切になります。「紙飛行機」だったら「良く跳ぶ紙飛行機で遊ぼう」と助言し,そのような紙飛行機の折り方を指導し飛ばせます。また「紙鉄砲」だったら「良い音で鳴らしてみよう」とし「パンッ!」と鳴るように腕振りの動作を意識させます。「パンッ!」と鳴らない動作では不十分な動作となります。子ども達は良い音が鳴るように動作を工夫するようになります。このように単に類似性のあるものを活用するだけでは無く,指導者がその動きに対してどのように助言して運動遊びやスポーツ動作への意識化を図り,体育科授業や教育活動の質を高めることが大切なこととなります。
参加した高校生は,製作活動を通して運動アナロゴンの意味を学び,大学での先取り授業を体験することによって,新しい考え方を学ぶことができた様子でした。
(執筆 百瀬)