心の働きを知る(その6)「発達心理学2」〜幼児期から児童期へ
25.12.09

みなさん、こんにちは!
今日は、児童学科の心理学プログラム「心理学概論」の紹介(その6)です。
「心理学概論」は、1年次の基盤科目。心理学に興味がある人も、ない人も、一緒に学ぶ授業です。でも、「心理学をもっと学んでみたい!」と思ってくれる人が増えることを願って、児童心理コースの教員は、授業でどんな面白いテーマを紹介しようかな?と楽しみながら考えています。
今回は前回に引き続き「発達心理学」の領域を覗いてみます。「発達心理学」は、お腹の中にいるときから生涯を終えるまでの心と体の変化を扱っています。今回は、サンタクロースを例にして、幼児期から児童期への心の発達についてみてみましょう。皆さんたちは、サンタクロースがこの世の中に本当にいるのかいないのか疑問に思い始めた時期をおぼえていますか?

子どもを対象とした調査から、サンタクロースの存在を信じる子どもは、4・5歳で9割近くいますが、8歳くらいになると2割程度になることがわかっています。
もう少し詳しく見ていくと、まず、4・5歳くらいになるとサンタクロースの存在は信じていますが、街の中で見る被り物を着たサンタクロースが「偽物」だということはわかっているようです。そして、6歳から8歳くらいにかけてサンタクロースが想像上の存在であり、この世には存在しないものだと認識し始めるのです。

幼児期は見たもの、聞いたことをそのままを現実にあるものとして取り入れるのだと考えられています。つまり、幼児にとっては周りの世界は不思議でどんなことも起こりえる世界ともいえます。一方、7・8歳を過ぎるころから、何が真実のことなのかを理解していくようです。この背景には、認知という世界の見え方の変化があります。
この時期の発達でもう1つ興味深いのは、「人物画の発達」です。なぐり描き時代から、丸が描けるようになるのが3歳、「人を描いて」というと、顔の輪郭の丸を描いてくれます。そのうち、目や口や髪の毛・・・というように少しずつ絵が詳しくなります。

これは、幼児さんに人の絵と電車の絵を思い出して描いてもらったものです。頭から足が出てしまっている「頭足人」は4歳ぐらいの絵だとよくあります。

自分の体には何々があるという「ボディ・イメージ」が少しずつ形成されていくので、8歳ぐらいまでは正確な人物画は完成しないのです。

ボディ・イメージのように、電車に関する知識も育っていくことがわかりますね。
幼児期から児童期へ、どんどん真実の世界に近づいていく子ども達を、皆さんも心理学を通して学んでみませんか。
(児童学科 教授 相良順子・東原文子)
★心の働きを知る(その1)「知覚心理学」〜見ること聞くことについてもっと知ろう
★心の働きを知る(その2)「臨床心理学」〜こころの扉を開けて
★心の働きを知る(その3)「社会心理学」〜人と関わる心のしくみ
★心の働きを知る(その5)「発達心理学」〜人の発達の謎に迫る
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