心の働きを知る(その5)発達心理学〜人の発達の謎に迫る
25.11.08

みなさん、こんにちは!
今回は児童学科心理学プログラムの一つである「心理学概論」の授業内容の紹介(その5)です。

「心理学概論」は、1年次の基盤科目。心理学に興味がある人もない人も、一緒に学ぶ授業です。でも、「心理学をもっと学んでみたい!」と思ってくれる人が増えることを願って、教員は、授業でどんな面白いテーマを紹介しようかな?と楽しみながら考えています。

さて、今回はその中の「発達心理学」の領域を覗いてみます。
「発達心理学」は、私たち人がお腹の中にいる時から生涯を終えるまでの心と体の変化を扱っています。今回は赤ちゃんの発達に注目してみましょう。
とても小さく、未熟な状態で生まれる人の赤ちゃん。
生まれて1年くらい経ってようやく「ママ」「バナナ」のような身近な言葉を理解するようになりますが、その間に、言葉や社会性のベースとなる、さまざまな発達を見ることができます。

例えば、私たちのコミュニケーションに欠かすことのできない「共同注意」という心理機能。 これは、相手がどこに注意を向けているかを互いに理解し合いながら、同じところに注意を向ける機能です。
皆さんは、誰かが「あ!」と遠くの方を指さしたらどうしますか?
きっと、指さされた先に何があるのかなと、そちらを見るでしょう。
でも、これを生後2-3ヶ月の赤ちゃんにやってみても、赤ちゃんはニコニコこちらの顔を見ているばかり。指差した先を見ることはしません。

【写真注】アヒルかわいいよ~と声をかけても、視界に入っていないと、そちらに注意を向けることは難しいのです!
それが、生後9ヶ月から1歳頃になると、「あそこにワンワンいるよ」と指差すとそちらを見たり、赤ちゃんも、自分の興味のあるものを見つけると、「これなあに?」「面白いね」と言いたいような素振りで、大人の注意を自分の興味のあるものに引きつけようとする姿がさかんに見られるようになります。

こうした「共同注意」によるコミュニケーションを獲得すると、赤ちゃんは、他の人と共有、共感することを楽しめるようになり、同時に、自分の知らないものの名前や特徴、そのものとの関わり方を大人から教えてもらうことができるようになるため、ことばや認識の発達もぐんと進みます。

さらには、自分でもハイハイしたり、直立二足歩行したりできるようになることで、赤ちゃんの探索の範囲、世界はどんどん広がっていきます。
皆さんも赤ちゃんの発達を学び、赤ちゃんにとってより良い環境についても考えを深めていっていただけたら嬉しいです。また、一緒に勉強しましょう!
(児童学科 准教授 齋藤有)
★心の働きを知る(その1)「知覚心理学」〜見ること聞くことについてもっと知ろう
★心の働きを知る(その2)「臨床心理学」〜こころの扉を開けて
★心の働きを知る(その3)「社会心理学」〜人と関わる心のしくみ
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