短期大学部・総合文化学科 │ 聖徳大学

【授業紹介】Webの表現技法(総合文化学科共通)

18.06.15

読点と句点

読点(、)と句点(。)との違いを説明できますか?

ここで、はきものをぬいでください。
ここでは、きものをぬいでください。

読点(、)は1つの文の中で前後を区切る働きがあります。
また、句点(。)は文末で使い、1つの文を終らせる働きがあります。

さて、本題は日本語の話ではなくて、コンピュータの言葉の話です。
コンピュータのプログラムは文字を使って表現されています。
設定ファイルなども文字を使って表記されます。
プログラムや設定ファイルの書き方や意味のとり方については、ちゃんとした文法が存在します。
それを含めて、「言語」という言い方をします。

プログラムのための言語や設定のための言語の表記にも句読点が存在します。
コンピュータのための言語の世界では、その働きによって、読点のことを区切り子(separator)といい、
句点のことを終端子(terminator)と言います.
日本語では、たとえば,読点(、)の付け方ははっきりとした基準や規則があるわけではないようですが,
コンピュータ言語では言語ごとに明確な規則あります。

CSSのセミコロン(;)

WebページのデザインをするためのCSSファイルには、以下のような記述がでてきます。

article {
  background-color: white;
  width: 900px;
  margin-left: auto;
  margin-right: auto;
}

さて、ここで使われている蝉ころん..まちがえたwww..セミコロン(;)は区切り子でしょうか?終端子でしょうか?
ここでは終端子として使っているように見えます。
しかし、CSSの正式な文法としては、セミコロンはプロパティ宣言を分ける区切り子なので、

article {
  background-color: white;
  width: 900px;
  margin-left: auto;
  margin-right: auto
}

のように、最後の(4つめの)宣言の最後にはセミコロンは不要です(最後以外のセミコロンは必須であることに注意)。
ということは、前者のように最後の宣言をセミコロンで終端するのは間違でしょうか。
実は、CSSの場合はセミコロンを終端子として使ってよいことになっていますので、前者の書き方も合法です。

間違いにくい書き方を選ぶ

授業では、プロパティ宣言の終端セミコロンは必ず付けることと強く指導します。
それが間違いをしにくい書き方だからです。
CSSは、すこしずつ書いては,確認、を繰り返しながら仕上げていきます。
文法としては、宣言ブロックに1つしか宣言がなければ以下のように書けます。

article {
  background-color: white
}

後から宣言を追加すると、

article {
  background-color: white
  width: 900px
}

おっと、これはダメですね。
これでは意図どおりの表示になりません。
このミスは意外に多いのです。
background-colorプロパティの行の最後にセミコロン(;)をうっかり忘れています.

article {
  background-color: white;
  width: 900px
}

と書かなければいけません.一行を追加しただけではだめで,前の行の最後にセミコロンを追加しなければなりません。

書き方の習慣をちょっと変えるだけで、このミスを防げます。
それは、最初からプロパティ宣言の終端にはゼミコロン(;)を書くことにしておけばよいのです。

article {
  background-color: white;
}

これでOK。
さらに、追加のときも、単に一行追加すればいいだけです。

article {
  background-color: white;
  width: 900px;
} 

終端子として書けるなら、首尾一貫してそのように使う方がミスをしにくいということです。

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