短期大学部・総合文化学科 │ 聖徳大学

【授業紹介】 繊維学実験 「繊維の吸湿熱測定」

22.04.21

*お知らせ

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 生活材料学の授業では繊維は吸湿すると発熱する性質があること、また、冬用のインナーウェアでは吸湿発熱性のある製品が注目されていることを学びます。
 今回の授業紹介では羊毛、綿、ポリエステルの3種類の繊維の吸湿発熱を測定する実験「繊維の吸湿熱測定」を紹介します。
 下の写真のように熱電対温度計を用いて、繊維を高湿度に保たれたビーカー内に入れ、繊維の吸湿発熱を測定します。

実験の操作手順は以下のとおりです。
【実験操作】
①繊維を1g採取し、塊とし、温度計のセンサーの先端部を包みます。
②温度が安定してから繊維で包んだ温度センサーを高湿度のビーカー内に入れ、ラップでビーカーを密封し、30秒ごとに温度変化を測定します。
③吸湿発熱による温度上昇が停止したら、繊維で包んだ温度センサーをビーカーから取り出し、室内に放置し、放湿させます。これらの過程における経過時間と繊維の温度変化を記録します。
④繊維が放湿し、温度変化がなくなったら、繊維で包んだ温度センサーを②と同様に再びビーカー内に入れ、経過時間と温度変化を測定します。
⑤③と同様に温度上昇が停止したら、温度センサーをビーカーから取り出し、室内で放湿させ、経過時間と温度変化を測定、記録します。
⑥経過時間と温度変化のデータから吸湿発熱による温度変化の折れ線グラフを描画して考察します。
⑦他の繊維についても同様に吸湿発熱を測定します。
⑧経過時間と温度変化のデータをエクセルの表に入力し、エクセルのグラフ作成機能を利用して折れ線グラフを作成できることを学びます。

【考察、吸湿発熱の原理】
 ビーカー内の湿度はビーカー内の水分が蒸発して高湿度になっています。この気体の水分は運動エネルギーをもって運動していますが、気体の水分が繊維に吸着され、液体となると運動エネルギーが熱エネルギーに変換し、凝縮熱(水和熱ともいう)を発生し、繊維の温度が上昇します。繊維が吸湿できる水分量には限界があるので当然時間や発熱量は限界があり、温度上昇が停止します。
 吸湿した繊維が室内に出されると吸湿した水分は放湿され、この過程では水分が蒸発熱を奪うので、放湿の終了間際では繊維の温度は室温よりも低下します。下図のグラフはこれらの結果を示しています。

 テキストを一人で読んで理解するのは難しいかもしれませんが、実験を行うことでよく理解できます。
是非一緒に実験を行いましょう。

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