心理・福祉学部 社会福祉学科 │ 聖徳大学

依存するということ

23.09.29

こんにちは 社会福祉学科助手の森です。

9月も終盤となり秋の訪れを感じさせる頃となりました。

季節の変わり目で寒暖差疲労も懸念されます。

さて、今回は『依存すること』に焦点を当てて論じてゆこうとおもいます。

依存とはどのような事象あるいは現象であると考えますか?

しばしば、「自立(自律)=非依存」と考えられています。

しかし、ほとんどの人間関係は相互依存的であり、皆互いに依存しあっているのです。

現在読み進めている文献から一部抜粋して紹介します。

 それぞれの人がある程度の自律と個体化(自分らしさ)とを達成することは必要だが、同時に、多くの世代からなる緩やかな拡大家族の中で、バランスの取れた相互依存性を保ち、それぞれの欲求を満たしながら成長を続けられるようにすることも必要なのである。

 もっと葛藤を含んだ形の相互依存は、俗に言う「対抗依存」と「共依存」である。依存というのは、一方が依存欲求を強く表わすと、他方は防衛手段としてそれに対抗する態度を強く表わすことになるということである。そこでは、依存的な結びつきへの要求をそらしたり、うすれさせたり、くじいたりする手段を使って、攻撃的ではあるが釣り合いのとれた一種の互恵的関係というものが生じることになる。

(Johnson,F.A.(1997)『「甘え」と依存-精神分析学的・人類学的研究-』,弘文堂,第一部,30-31より一部引用)

このように、成長を続けるためには依存が重要な要素となるのです。

二項関係(自分と他者、モノ、事象)において、適度な距離感やバランスを上手にとり、葛藤を解決する方略を模索することでより良い関係性が見いだされるのです。

そのためには、自分のこころの動きや傾向を知っておく必要があり、自己理解が必要になります。

自己理解のための自己分析を葛藤や苦悩、困難に直面した際そのたびごとに行い、自分を知ることが重要です。なぜなら、人間は常に成長し続けているからです。

依存の中で、自分と他者(学友、親族、先生etc)を重んじる“こころ”を育みましょう。

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