心理・福祉学部 社会福祉学科 │ 聖徳大学

第5回客員教授毒蝮三太夫先生 講義:「高齢者とは」(最終回)

24.01.20

皆さま こんにちは

社会福祉学科助手の和田です。

1月15日(月)客員教授毒蝮三太夫先生による5回目(最終回)の講義が行われました。

本日は、総まとめということもあり、先生自身もより一層気合が入っておりました。

はじめに、『令和6年能登半島地震』により犠牲になられた方へ哀悼の意を表するとともに、被災された方へのお見舞いを申しておりました。また、今回の震災だけでなく、阪神淡路大震災や東日本大震災にて被災したことから防災に対する意識を語られておりました。

そして、学生レポートから「高齢者からの暴力」について語られました。

一口に「暴力」といっても、様々な形態が存在します。単独で起きる行為や多くは何種類かの暴力が重なって起こる場合もあります(参照:暴力の形態 | 内閣府男女共同参画局 (gender.go.jp) :2024年1月16日閲覧)。

過去に毒蝮先生の講義を受けた学生が、「急に体調が悪くなって優先席を利用したところ、ある高齢者に理解してもらえず、杖で叩かれた」とのことでした。こうした体験から学生は、高齢者に対して恐怖を覚えたとのことでした。

高齢者像は、一人ひとり違います。

高齢者から受けた行為によって学生は傷つき、「悪い高齢者」から「良い高齢者」へのイメージに置き換えることは容易ではありません。

しかし、全ての高齢者が同じではないことを心の片隅にでも置いてほしいと思います。

今後、何かしらの出会いによって、自分自身が抱く「悪い高齢者像」が良いイメージに変化することを願います。

最後は、毒蝮先生が尊敬する先輩方を紹介してくださいました。

一人目は、105歳で逝去された聖路加国際病院名誉医院長:日野原重明先生です。

日野原先生の講演に行かれた毒蝮先生から学生に対して、「いのちとは、何ですか」と問いました。

ふと、問われた質問に対して思慮する学生たち。

この問いに対して、日野原先生は「命とは君たちが持っている時間である」という言葉を遺されています(参照:日野原重明著:十歳のきみへ―九十五歳のわたしから.冨山房インターナショナル;東京, 2006.)。

また毒蝮先生は、いのちとは「利多(利他)」と表現されていました。

それは、赤ちゃんのときには使えないが、成長していくごとに「いのち」を他人のために尽くすこと、だれかの役に立つということが自分という存在そのものが生かされていることにつながっていると語られておりました。

続いて二人目は、114歳女性からの頂いたファンレターの思い出についても語ってくださいました。

毒蝮先生は、いつもその手紙をお守りとして持ち歩き、その文面を見ながら「自分がやらなくてはいけないことは何か」、「伝えなくてはいけないことは何か」と自分自身を鼓舞されるとのことです。

こうした尊敬する先輩たちの思い出を通して、私たちが抱く高齢者像も少しずつ変化しそうです。

お守り~114歳女性からのファンレター~

今年度最後の講義でも、普段では学ぶことができことが多いにありました。

こうして毒蝮先生が語られた教えは、学生生活や就職先でも役立つことでしょう❗

毒蝮先生、貴重な講義をありがとうございました。

来年度の講義も楽しみにしております。

文:和田早織(助手)

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