心理・福祉学部 社会福祉学科 │ 聖徳大学

教職実践演習(養護教諭):健康教育の創造

23.12.04

みなさん こんにちは。社会福祉学科の湯原です。

養護教諭一種免許状を取得するための総仕上げの科目として位置づいているのが4年秋学期開講「教職実践演習」です。本科目では、これまでの授業や実習で身に付いた知識と技術を基盤として、学校現場に出る前に、改めて養護教諭の専門性とは何か?養護教諭の教育的な機能とは何か?などを探求し、その定着を図ることを目標にしています。

第8回目・第9回目の授業では、ヘルスプロモーションの考えに基づく健康教育の企画を検討し、グループごとにプレゼンテーションしました。養護実習やボランティア活動などで把握した子供の健康課題を題材として、その課題を解決するため取り組みを検討します。基盤になるのは、多様な事情を抱えながらも懸命に生きる子供たちすべてが健康づくりに励むことができる取り組み、あるいはその環境で生活することによって健康になれるという視点です。これまでの既成概念にとらわれず、自由で思い切った発想で、「やってみたい」「続けたい」「やって良かった」と思える工夫を取り入れることを重視しました。

健康課題は「自己肯定感UP」「コミュニケーション力向上」「質の良い睡眠をとる」「集中力を持続できる子供」等々。そして解決するための手立てとして、『地域との交流活動』『魅力発見ノートの活用』『ヨガやピラティスを取り入れた運動習慣づくり』『軽食タイム』等、学生の発想は多様でユニークです。お互いの企画を聞いて、自分達のグループの改善策を検討する時間を持つこともできました。

保健室はその空間的な特性によって、子どもの本音や健康問題の背景になっている課題が見えやすく、つかみやすいという特徴があります。養護教諭に日頃の困りごとをぽろっと言ってくれることは珍しくありません。一人の子どもの小さな声ではありますが、それは単なる個人の問題ではなく、集団に共通する課題であることも多くあります。体調不良の背景として食事や睡眠の問題があり、その要因として家族の多忙さ、養育者の健康問題、貧困等があるかもしれません。このようなことはある特定の家族のことではありません。今、社会全体が子どもから大人まで時間的にも気持ち的にも余裕のない状態です。学校全体として取り組むべき課題として、養護教諭は保健室でキャッチした一人の小さな声を学校全体の共通の課題として共有する役割があり、またすべての子供が意欲的に取り組める健康教育の方法を提案できる存在であるということを再認識できたのではないかと思います。

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