心理・福祉学部 社会福祉学科 │ 聖徳大学

ゆるすということ

23.10.29

こんにちは 社会福祉学科助手の森です。

10月の終盤となり冬の訪れを感じさせる頃となりました。

冬支度を始める今日この頃ですが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか。

さて、今回は『ゆるすということ』に焦点を当てて論じていこうと思います。

ゆるすとはどのようなことであると考えますか?

現在読み進めている文献から一部抜粋して紹介します。

この文献は、土曜日の4限目に行われている教員採用試験対策講座で「アンガーマネジメント」というワードが出てきたのがきっかけで手に取りました。

アンガーマネジメントとは、「怒り」をコントロール法です。

「怒り」はネガティブな自己表現になりやすく、社会では抑圧するべき感情ともいわれています。

また、他者とよりよい関係性を構築する為にも早い段階から身に着けておきたい手法です。

また、私自身学部時代に「怒りと許しの関係性に着目した論文」を読み、怒りと許しは一体的な関係であると学びました。許すことについて、本書を読むことで怒りについてより深い理解が得られると考えたのです。

ゆるしの定義を英国の哲学者ジョアンナ・ノースが次のように表現しました。

『他者によって不当にも傷つけられた場合、その加害者に対する怒りの感情を乗り越えたときにゆるすことができます。これは、怒りを感じる権利を否定するものではなく、その代わりに、過ちを犯した行為者に憐憫、慈悲、愛を提供するものです。加害者は必ずしもこのような恩恵に浴する権利はないことを了解しながら、ゆるしを実践します。』

ゆるしとは、「起きてしまったことの受容」「怒ることをやめる」「他者に対して中立の立場をとる」「いい気持ちになる」とあり、ゆるしでないものを、「大目にみる、あるいはなかったことにする」「忘れ去る」「正当化する」「冷静になる」「偽りのゆるし」とあります。

(Robert,D.E.(2007)『ゆるしの選択ー怒りから解放されるために』,河出書房新社,第二部,38-39,41-45,より一部抜粋)

ゆるすことはプロセスであると述べられています。第一段階では、痛みを伴うものとされています。

ゆるす痛みを知ることで、その痛みを理解し、他者を不当に傷つけないよう努め、自分の“器”を形成してゆくのです。

最後に、『怒りや憤りから解放されたいならば、あなたを傷つけた人に贈り物をしなさい』という言葉を紹介します。

この言葉の真意が気になる方は、是非本書を当たってみてください。

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