いかに教えないで教えるか~養護教諭が行う保健指導・保健学習(学校保健Ⅱ)
23.10.04
みなさん、こんにちは。社会福祉学科の湯原です。
養護教諭免許状取得を目指す2年生は、秋学期に演習科目が増えます。今回は養護教諭が行う保健指導・保健学習について学ぶ「学校保健Ⅱ」をご紹介します。
全15回の授業では、前半で保健指導、後半で保健学習を取り扱います。保健指導と保健学習は似て非なり。「保健指導」は子どもが現在直面している健康課題の解決が授業の目標となり、「保健学習」はいわゆる教科書を使用した教科保健です。将来にわたって健康に生活するために必要な知識・技術を系統的に習得することが目標となります。この違いを踏まえて、学生は2つの授業づくりをし、模擬授業を行います。
どちらの授業でも共通して大切なことは、4点!
➀授業に引き込む「発問」の工夫
授業の導入では子どもの興味関心を高める「発問」を投げかけます。自分事として捉えられるような工夫が必要です。例えば「みなさんは普段どんな時に手を洗っていますか?」と発問することで、自分はどうかな?と生活を振り返り、本時の授業に引き込むことができます。
➁子どもの反応を受ける技術
「主体的・対話的な深い学び」がキーワードです。一方的に説明するのではなく、教師からの問いかけに、子どもが考え、友達同士で考えを共有し、発表したことに教師が応答するという主体的で対話的な授業が一人一人の学びを深めます。うなずいたり称賛したりといった教師の応答が、子供の発言を促します。
➂「分かる」「楽しい」と感じられる教材・教員
具体性や意外性のある教材は、子供の興味を高め、理解を助けます。ジェスターや表情豊かに、抑揚や声のトーンを意識した教員の姿も、子供の集中力を維持するためには重要です。
➃いかに教えないで教えるか
すぐに答えを教えないでまずは考えさせます。考える時間を十分に与え、少しヒントを与えて、あたかも子どもが自分で気づいたようにします。場合によっては教師がわざと間違ったことを言って、子どもの思考を揺さぶります。大切なのは、自分で考えて、または友達同士で話し合って答えを導き出したという感覚。自分で導いた解決法であれば、自分の生活に取り入れ、主体的に実践していこうと思えるのです。
履修科目が多い忙しい中でも、学生はユニークで多様な授業展開を検討し、教材にも創意工夫がみられます。今年はどのような授業がみられるでしょうか。後程こちらのブログでご紹介していきたいと思います。