心理・福祉学部 社会福祉学科 │ 聖徳大学

【JUST IN】第4回(後編)福祉の役割と「感染症コロナ」~考えましょう~

20.04.24

第4回の諸外国の新型コロナへの対応の状況(後編)です。私たちの知らない諸外国のコロナへの対応から、学べること。さぁ一緒に考えましょう。

モンゴル(Mongolia)の感染者は、現在31人(死者0)です。4月はじめにロシアから入国した外国人が最初の感染者でした。モンゴルでもまだ「市中感染」は起きていません。モンゴルの首都ウランバートルでは、日常生活用の水はキオスクで買う生活ですので、私たちのように水をふんだんに使うのが当たり前のことではない厳しい環境です。したがって、政府は特に感染拡大防止のために、 衛生環境の確保を徹底しています。6月まで教育機関はすべて閉鎖され、そのまま夏休みに入ることになります。

モンゴルでは失業率(2018年は10%)も高く、非正規雇用の若ものが多いのですが、この事態でさらに解雇され、外出もできずにいる人たちも多くなりました。コロナウィルスの影響でさらに失業率が高くなると予想されています。その中から、子どもの保育に携わっていた私の知り合いは、動画で、子どもたちのために「お話の読み聞かせ」や日日の生活の仕方、高校受験の心得などを配信しています。モンゴル語ですから私はその内容を理解できませんが、言葉は分からなくても見ているだけでも楽しさは伝わってきます。(写真はモンゴルの情報番組です)

タイでも学校の休校は当初3月末まででしたが、4月末まで延長され、さらに6月末まで再延長になりました。南米のペルーでは、感染者数が145人にな った3月18日(水)から、午後8時から翌日午前5時までの夜間外出禁止となりました。 このように多くの国では、非常事態宣言下での生活を余儀なくされています。しかし、誰もが感染拡大を防止するには、ロックダウンが最も確実な方法だとも知っています。(写真はタイの物資調達の様子と注意喚起のお知らせ)

こうした緊急事態宣言が発せられ、ロックダウンが実施されている国々から見えてくることは何でしょうか。このような感染の状況を見ていると気づかされることに、脆弱なところに真っ先にしわ寄せが来るということです。災害でも同じです。

したがって私たちは、コロナウィルス対策に対して、その国の脆弱なところはどこ? だれ? という視点を持って捉えることは将来の専門職や社会貢献活動の力(実力)の素地になります。そのような視点を持つことで社会保障や社会福祉に対する見方が磨かれます。

外出自粛の時期にできることは限られていますが、この「感染症との闘い」 が終わったときに社会福祉がどうなっていくか、第二次世界大戦後に大きく変わった社会福祉、経済発展があったからこそできた今の社会保障制度が構築されました。これからは一国だけで考えるのではなく、現在のグローバル化経済が危うくなるか好転するかという社会変化をみつつ、社会保障や安全対策が「同期化」しながら次の段階を進まなければならないのではないかということが見えてくるかもしれません。(すべて人数等の数字は4月20日現在のもの)

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