音楽学部 │ 聖徳大学

かがやく卒業生(17):教員生活7年目、手作り教材の達人が語る複数免許の恩恵とは?

21.04.22

こんにちは。
今日ご紹介したい卒業生は、2015年3月に音楽学部を卒業したTさんです。
小学校に勤務して6年が経ちました。小中両方の教員免許取得が求められる自治体にお勤めですが、在学中に取得したダブル免許(実は高校の免許もお持ちなのでトリプルですが)に感謝!というTさん。1年生の担任として、手作り教材で子どもたちのハートをがっちり掴んでいる様子です。

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――こんにちは!今日はよろしくお願いします。

お久しぶりです。よろしくお願いします。


〔Tさんです。こんにちは!〕

〔聞き手は今回も髙松晃子先生と松井孝夫先生〕

 ――さっそくですが、近況を聞かせてください。

はい。小学校に勤務して6年目が終わりました。単学級で、児童数は全校で80名くらいの小さな学校です。昨年は1年生の担任でした。

 ――人数が少ないというのはどうです?

誰でも主任は掛け持ちになります。昨年は音楽と国語の主任をしました。

――主任としてはどんなお仕事を?

そうですね、国語ですと、作文やコンクールの取りまとめをしたり、校内の国語に関する掲示物を作ったりします。「きょうは何の日?」というコーナーを作っているのですが、毎日の記念日を調べて説明の掲示物を作っていました。

――毎日のこととなると大変ですね。

実際はそれほどでもないです(笑)。それから委員会活動です。委員会に関わるのは上学年ですので、低学年の担任をしながら高学年とも関わって回していかなければいけません。

――なるほど。仕事の種類や量は大規模校と同じだけれど、少ない人数で分けもつから一人当たりが増えるのが辛いところかもしれないですね。音楽の専門性を活かす場面はありますか?

音楽クラブの指導をしています。昨年はなかったのですが、大きな行事の合唱指導などはさせていただいています。

 ――昨年はコロナでたいへんだったと思いますが。

はい。最初は音楽はできませんでした。特に1年生はまだ何も学習していないので、とりあえず体育館に行って音楽に合わせて踊ろう、みたいな感じでスタートしました。

人数は少ないのですが、音楽室に入ると距離が取れないので…。普段ですと手遊び歌から導入すると思うのですが、お友だちと手を合わせられないし、そもそも向き合えないし…。

 ――子どもたちもストレスがたまりそうですね。

はい。すぐくっつこうとするんですよ(笑)。「離れて」と言ってばかりでもかわいそうなので、こちらで近づかない手立てをいろいろ考えました。

音楽室には,教頭先生が透明フィルムを貼ってくださったので,緊急事態宣言が発令されているとき以外は歌ったり,楽器を演奏したりすることができました。

〔透明フィルムが貼られた音楽室で活動しました〕

――休校中はどのように?

プリントを作って車で配りに回りました。初めて小学校に上がるお子さんをもつご家庭も多いので、保護者の方は心配だっただろうと思います。授業参観もないし、担任と会えたのも入学式だけですから。

学校が始まってからは写真を載せたお便りを毎週つくり、連絡帳や電話での連絡をしっかりするように心がけました。

――1年生ですと、教材にも工夫が必要なのでは?

そうですね。これは鍵盤ハーモニカを教えるときに使った「手」。そこに「ど」とか「れ」とかひらがなで音を書いてくっつけていきます。


〔鍵盤ハーモニカ用の「手」と音名〕

それから、これはリズムを教えるときのものです。楽譜はまだ読めないので、「たん」とか「うん」とかどんどん黒板に貼っていきます。

〔リズム教材〕

それから…ワークシートを作るのが好きなんです。だんだんやりたいことも増えてくるのでたくさん作りました。

そして…これが私のオリジナルのキャラクターで「てんてんまる」っていいます。国語で、濁音や半濁音のつく言葉を教えるときに登場します。例えば、「だんご」にてんてんまるがやってきててんてんを取ってしまうと「たんこ」になって、変だよね、とか。


〔てんてんまる〕

――そうか。子どもたちにとっては濁音半濁音は難しいのか…。大人になると、子どもにとって何が難しいのかわからなくなってしまいますね。

そうなんです!それを言葉で説明しても伝わらないときもあるので、掲示物を使って説明しました。「〜は」とか「〜を」とか。

〔助詞の「を」や「は」〕

算数では時計を作りました。自分で動かせるように、たくさん作って教室に貼っておきます。そして毎日宿題を出します。「何時何分に合わせてね」と。


〔時計〕

――あなたはこのたびライフステージが変化したわけですが(結婚されました!おめでとうございます)、これからも教員は続けられ…ますね。

はい!なんといっても子どもたちの成長を近くで見られます。ひらがなも書けなかった子どもたちを1年かけて漢字まで書けるようにするというのはやりがいがあります。たいへんだけれど毎年任せてもらえること、少しずつ責任ある仕事を任せてもらえることは嬉しいです。

――あなたは確か、在学中は中学校希望でしたよね。

はい、中学校の方が合唱指導でもなんでも本格的にできると思っていました。でも、初年度から小学校に勤めるようになって、中学より前の段階でできることがたくさんあることに気づきました。

――小学校免許を取っておいてよかったですね。

本当にそう思います!私の勤務する自治体は小中の行き来が多いので、両方持っていたほうが良いと思います。実際、現場に入ってから複数免許取得を要請される方もいるようです。

中学校勤務の人が小学校免許を取る場合は教科を指定する必要がないのでまだよいのですが、逆ですと教科を決めるところからですから大変だと思います。

――そう言えば、先輩のTさんが近くにお勤めでは? 中学校だったかしら?

はい。T先輩の学校はお隣の自治体の小中一貫校です。小中一貫はどんどん増えています。

――そういう点でもダブル免許があると有利ですね。
さて、大学を卒業して6年が経つわけですが、年月が経ってじわじわ染みてくる聖徳の良さってありますか?

シリーズコンサートは本当にありがたかったです。社会人になると余裕がなくて、絶対に聞きにいけないので…。一流の演奏家の演奏を聴けたのは本当にいい経験でした。

あとは…ピアノしかやってこなかったので声楽と管楽器の個人レッスンはありがたかったです。現場ではやはり歌を指導する場面が多いので、声楽のレッスンを4年間受けられたのは本当に良かったです。発声やストレッチの方法、指揮や指導の方法など、大学でやったことを今またやっているという感じです。

〔シリーズコンサートに出演したウィーン少年合唱団の団員さんと〕

〔海外研修. エッフェル塔を背にジャンプ!〕

――管楽器は何を?

やったことのないフルートを取りました。和楽器もやらせていただきましたし、いろんな経験ができました。

――先生を目指す人に何かアドバイスはありますか?

大学で「やってよかった!」と思うのは伴奏やアンサンブルです。自分がソロで演奏するより、友だちの伴奏をしている方が幸せでした。おかげで、学校現場でも子どもたちとすぐに合わせることができます。

〔左:伴奏が好きです! 右:謝恩会で松井孝夫先生と〕

――アルバイトはされていましたか?

はい。在学中はケーキ屋さんでアルバイトをしていました。教育現場に入る前に違う世界を知ることができてよかったです。教員になると保護者や年上の先生とも話さないといけないので、いろんな人と関われてよかったです。

――Tさんはいつも在学生の演奏会に来てくれますよね。ほぼ全てにいらしているのでは?

はい、やはり自分が過ごした大学の学生たちの活躍は、いつまでも応援したいです。

――ありがとうございます!また来てくださいね。

はい。楽しみにしています。今日はありがとうございました。

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